第35話 地下32階層攻略したぜ
地下32階層はマグマと溶岩が飛び散る火山エリア。
サーチも使えない中で、むやみに飛ぶのは自殺行為だ。
どうしたものやらと思案すること10分。
「俺が熱さ耐性を持てば良いんじゃねぇの」
このゲーム、総合力をステータスで表すために、体力を表すHP、魔力を表すMP、耐性を表すRPの3つがある。
体力、魔力はレベルと同時に自動的に上がるのだが、耐性は体力もしくは魔力の数値を割り振ることでしか変更出来ない。
そして耐性の中にも熱、冷、痛、痺の4種類があり、それぞれMAX200まで割り振ることが出来るのだ。
なお、一度割り振ってしまうと、元に戻せないから、よく考えて割り振る必要があるのだ。
「まず熱と痛は必須だよな。
次にどのステータスを割り振るかだけど、体力も魔力も結構あるからどちらでも大丈夫だけど、ここは魔力にしておこう。
万が一あの溶岩に当たったと考えたら、体力はいくらあっても足りないくらいだし」
魔力から200づつ熱と痛にステータスを割り振る。
「後は収納を展開してっと」
このエリアを飛んで抜けるには無作為に飛んでくる溶岩やマグマを避けながら進む必要がある。
どこから飛んでくるのか予測も出来ないから避けるのは難しく、ある程度当たることを覚悟しなきゃならないから、耐性を付けた。
それでも十分とは言えない。
あの溶岩は結構な質量があるから、当たれば致命傷になりかねないからな。
ではどうする?
叩き落とすか、避け切るか。
どちらも無理!
ならば、収納を大きな傘のように展開して、降り掛かる溶岩やマグマを吸い取ってやろうと考えたらわけだ。
ただ、収納は平面にしか展開出来ないから、下から上がってくるものには対応できない。
まぁ、そのくらいは体力と耐性でなんとかしよう。
出来るだけ大きく展開した収納魔法を地面と水平に展開し、その下に入る。
「さぁ、行くぞ!」
ひとりで気合いを入れ直して少し浮き上がる。
マグマの川から飛び散る熱量をなんとか避けることの出来るギリギリのラインまで浮いたら、溶岩の降り注ぐ難関区間へと飛び込んだ。
「ふぅーー、なんとか切り抜けたな。
しかし、危なかったよー。まさか出口が、マグマの滝の中だなんて」
そう、このエリア、サーチも使えないのに、やたら広くて時間が掛かる。
その上、出口がマグマの滝の中にあったんだ。
そこに到達した時点で既にボロボロ。体力は10%を切っているし。
でもさ、やっぱりいるよね。このフロアのボスは蜘蛛型のデカい奴。
糸を吐きながら毒液を飛ばしてくる。
このままだと糸で動きを封じられ毒液の餌食になると思ったのでこちらからも怒涛の魔法攻撃をおこなう。
やっぱり熱いエリアのボスだから、お約束は冷たい攻撃だよね。
そう思ってアイスランス50連発で攻撃してみたけど、全然効かなかった。
やけくそになって、ファイヤーランスを撃ちまくったら、あっけなく斃れたよ。
そういや蜘蛛って熱に弱かったっけ。なんでこのフロアのボスなんだ?
と、こんなことがありながら無事地下32階層を突破。
今日はここまで。
転移魔法でとっとと帰ろっと。
とりあえず冒険者ギルドに寄って、ボウケンさんに地下32階層まで攻略したことを報告しておく。
ほくほく顔の上機嫌で酒に誘ってくれたけど、今日は無理。
しつこい誘いを拒否して、屋敷に帰り、風呂入って、飯食って、速攻お休みなさい。
ずいぶん後になってから攻略サイトで知ったんだけど、このフロア、難攻不落のフロアとして有名なんだって。
そして滝の中に出口があるっていう情報は、NPC50人に連続して滝の出口を聞いたら教えてもらえるらしい。
そして蜘蛛の魔物については製作サイドは突貫プログラミングの中、あまり考えずに設置していて、蜘蛛だから自動的に弱点が熱になっていたみたい。
わけわからんよ!全く!!
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