第2話 告白失敗!!始まる不穏
それから一か月、俺は話し相手一人も作ることができず見事にボッチ生活を謳歌していた。
やっぱり最初の自己紹介って大切なんだな。
まあ、もう手遅れだしな。
あれ、おかしいな? 涙が出てきたよ。
一か月もたてばクラス内でのグループや序列といったものは明確に見えてくる。
クラスの中心には、学校一のイケメンと名高い谷山 太陽(たにやま たいよう)や、クラスのマドンナ的存在の月風 涼葉(つきかぜ すずは)などの
学校でも人気のある生徒が集まっておりそんなグループをうらやましかった。
俺も、あんな青春っぽい会話したかったな。
だが、そんなことを心の中で思っていても何も現状は変わらない。
全ては自己紹介のトップバッターで滑ってしまった自業自得なのだから。
とほほ。
◇
「今日の授業はここまで。しっかりと復習しておくように」
今日の授業が終わり流れるように帰りのSTも終わる。
今日もすぐに家に帰ろうと思ったが、暇だったので少し教室に残り復習をして帰ることにした。
教室で勉強してたら誰か声をかけてくれないかな?
復習を初めて30分ほどが経過した。
誰も話しかけてこない。
俺は空気ってことですかそうですか。
「ふーこれくらいにして帰るか」
少し涙が出そうになりながら俺は教室を後にする。
教室を出て下駄箱に向かっていると一つの空き教室から声が聞こえてきた。
どうやら男子生徒の声のようだ。
「よかったら俺と付き合ってくれないかな?入学した時から気になっていたんだ」
うわっ告白かよ、、、青春してんなー
なんかむなしくなってきた。
早く家帰ってゲームでもしようかな。
告白しているのは谷山 太陽であった。
「ごめんなさい。私はあなたを友達とみていたから、あなたと付き合うことはできません。」
この声、月風さんかな?
「そっか、わかった。時間取らせてごめん」
「気にしないで、それじゃあ」
そういって彼女、月風 涼葉は去っていった。
その後、教室に残っていた谷山 太陽は、
「あのくそ女が!!この俺が告白してやったのに断るだと、、絶対に後悔させてやる!!」
叫んでいた
イケメンなのは面だけってことね。
性格は醜悪なんだな~
よしっ関わらないようにしよ!
触らぬ神にたたりなしってね!
「おーーこわっ、かかわらないようにしよ。」
気づけば考えていたことが自然と口からも出ていたようだ。
陽キャ同士の惚れた晴れたに関わると何もいいことなんかないし、何よりも灰色の高校生活を送っている自分がみじめで仕方なくなる。
そんなことはどうでもいいから家帰ってゲームでもしよ。
俺はそう思い学校を後にした。
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