第3話 古傷

「ふぅ…」


青年は深く息を吐くと目を閉じた


脳裏に浮かぶは過去の風景


マウンドに立つ投手


そして


「…クッ」


思わず目を開ける


「ったく…何度目なんだか」


悪態をつきながら立ち上がると周りの片付けを始める


時刻は朝の7時半


部屋の電波時計には日曜日の表記もある


世間では休みの人が多い中


なぜこんな早起きをしているのだろうか


「出かけるからだよ」




…ナレーションにツッコミを入れないでほしい

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