第2話 残響

何百何千もの声が聴こえる


その空間には人がところ狭しと押し寄せ


18人の若者に向けて歓声をあげている


あるものは声で


またあるものは道具で


またまたあるものは楽器で


各々が考える方法で応援をしていた


「さぁいよいよ最終回となりました。9回表、帝王実業の攻撃です。激闘第一高校との点差は…」


ピッ


電子音と共に全ての喧騒が消えた


まるで今までそこに無かったかのように


音を消した張本人である青年は


そのままリモコンをテーブルへと投げ出し


ソファに深々と腰掛けたのだった

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