第4話刃物と勲章と

ある時私は、首に小さなデキモノができていることに気が付いた。ケイが私をなでているときに引っかかったのだ。

その時はそんなに大事になるとは思っていないかった。

ケイは私を病院に連れて行くという。

実は相棒のアールは体が弱い。よく湿疹を出して病院に行っている。かたや私はほとんど行ったことがなかった。

がその病院と言うものに連れて行かれるかと思うと正直不安で不安でしかたなかった。

ネットと言うものでワイが調べたらしいのだが我々の一族はちょっとしたデキモノでも悪性の可能性があるからということだった。ネットなるものが恨めしくてしかたなかった、またワイも余計なことを調べてくれたものだと思う。

家に帰ってきたらネットなるものをとっちめてやろうと強く心に誓ったのだった。

私のできものは検査の結果悪性であることが分かった。この星の生物の医学ではそのできものは切除しないと治せないらしい。まったく体に刃物をいれて皮膚を切除するなど野蛮極まりない。と抗議をしたものの、結局そうしないとだめだということで私は手術をすることになった。無事に手術は終わって私には首の後ろには傷口を縫ったひもがあった。術後はつらかった。体がまっすぐにならないし食事もままならない。そんな中ケイは私に献身的に付き添ってくれた。食事もいつもならカリカリした硬いごはんだが、今は柔らかいごはんをさらにスプーンの後ろでつぶしてくれる。また私が食欲が無いときも一生懸命食べさせようとしてくれた。薬もくだいて私に舐めさせるようにした。

寝るときも私に何か起きてもすぐに対応できるようにと傍で寝てくれた。

そんなケイの看護もあって順調に、回復しつつあったのだが、私は傷口が痒くてつい掻いてしまった。そのせいで少し傷口が開きかけた。すぐにケイとワイは病院に相談したようだが、傷口については特にそのままで服を着せて掻けないようにすることを決めたようだった。問題は私に合う服が無いことだった。

なければ作ればいいと言う事で、いくつかの服を買ってきて切り合わせる事になったようだ。

正直ケイは不器用だ、特に裁縫関係は苦手中の苦手。手にいっぱい絆創膏を貼りながらも夜晩くまでがんばって作業をしてくれた。

机に突っ伏してエルと寝言を言うケイを見て私は声を出さない返事をするのだった

ケイか作ってくれた服は私には勲章だった。ケイ本人は色々と失敗したこともあって人に見られる事を嫌がったが私は得意満面で見せに行った。

お医者様にかわいい服着せてもろてと評価されたときのケイのはにかんだ笑いは鮮明に記憶にある

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