第42話

「レイモンドはカウボーイに傾倒し、銃にも詳しい、そして先ほどの質問だが、彼の能力についてだが、彼は周囲にある、エネルギーを光に変え、其れを熱エネルギーとして放射するという能力だ」

分かりづらい能力だな。

俺はそう思ったがすぐに葛道が助け船を出すかのように質問した。

「それって光を集めて、それを光線みたいにして撃ち出すことが得意ってこと?」

葛道は理解していない俺と完全に、首をひねる美怜が分かるような形で問いかけた。

「そうなる。彼が撃ち出した光線はかなりの威力だ。確かに何度か接触があり、その能力を確認してきたが、今回は桁外れに強くなっていた」

大佐は強ばった声で言う。

完全に大佐も参っているのだろうか?

俺はそう思いながら事の成り行きを探る。

「要は奴らの変態度は上がってるし、それに能力の方も右肩上がりってかんじなのね」

美怜は納得いかないという顔をしながら言う。君がいうことなんだろうかと思った。

「そうだな。照間君がここにくるすこし前から【デスヌード】の活動がかなり活発化し始めていた。 そこでこの男のような奴もより動きが目立つようになってきた」

確かに完全に隠すつもりがなかったもんな。

街なかをカウボーイ姿でいるし。

「今回はまだ可愛い方だと私は考えている。より敵の動きは激しくなり、何かの活動は大きくなるに違いない」

俺はあの伝説の男【ネイキッド・タイガー】が率いる平田とあのレイモンド、そしてまだ見ぬ変態達が街なかを闊歩している姿を思い浮かべ背中に寒気が走った。

「そして活発かしているということは、斉藤君」

急に、此方を向き、大佐はかなり真剣な様子でいうからびっくりした。

「は、はい?」

「これからはより君も狙われる回数もおおくなるだろう。 その懸念を払拭する為にも美怜には完全に見張りを強化してもらうようにする」

俺は隣の彼女を見る。

彼女もこちらを見るがかなり嫌そうな顔をしていた。

それも嫌いな食べ物をあからさまに出されて、いやがっている子供みたいな顔をしていた。

「そんな嫌な顔を為なくてもいいだろ」

「何言ってんの。嫌な顔を為てませんけど」

いやいや、眉間にちょう皺寄ってるし。

「嫌な顔をされるのはしょうがないんだけど、なんでそこまで嫌なの?」

俺は彼女に気になることを聞くことにした。

「貴方に関係ある?」

「大いに関係があると思う」

俺は負けじと言い返した。

「俺も一応、保因者というには関係があるし、自分の命がかかっているならなおさらだ」

俺はじっと、美怜の顔をみながらいった。

「たしかにお守りかもしれないが、これからは自分で危機管理を為ていくつもりでいる。守られるだけじゃなく、邪魔をしないようにする」

俺は本心で彼女に言うことにした。

美怜は眉間に皺をよせて、唇も蠍座の人みたいにへの字にしていた。

しかし、すぐに口を開くとはぁと溜息をつき、言った。

「私が悪かったわ。確かに貴方にも自分の生命管理があるわけだもんね。私が悪かった」

美怜は1度頭を下げると顔をあげていった。「これはプロとしていうわ。 邪魔だけはしないで。邪魔したら守る前に此方からしかけるからね」

彼女はかなり真面目な顔をして言った。

いや、しかけると何されるか分からないけど怖いんですけど。

俺は内心でそう思いながら、彼女を見返し、口を開いた。

「わかった。できる限りのことは自分でなんとかする」

俺は彼女に返答した。

「いい雰囲気だね」

ぶちこわすように、葛道がいった。

「そうだな」

大佐も、同意し言った。

まじで子のタイミングで言うかと思ったが、ふと美怜と目が合う。

お互いに見つめ合い、なんだかそれがおかしくなり笑ってしまった。

そして美怜もつられたように笑う。

笑った顔は可愛いなと思った。

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