第40話

しかも、驚くことに彼は軍服を来ており、まるであのカウボーイ姿からは想像もつかない姿。

「そうだ。 彼の名前はレイモンド。元大国特殊作戦群に所属していた」

「特殊作戦群ってことは特殊部隊?」

大佐が言うと、美怜が続けて質問した。

「そうだ。 彼は隣の大国の軍に特殊部隊として従軍していた」

俺はなんて人間にスカウトされたんだと唾を思わず飲んでしまった。

「彼は特殊部隊での成績はアクション映画をみているかのごとく、よかったそうだ。資料はここにはないが、彼はかなり凄腕の人間だった」

「でも、なんでこんな人が【デスヌード】に?」

俺はかなりの疑問をぶつけてみることにした。変態という二文字からはかなり遠い世界にいそうな人間そうだが何があったのか?

「彼はとある砂漠での作戦中に行方不明になり、それから数日後に捜索隊にさまよっている所を発見された」

大佐は隻眼を厳しいを此方に向けながら、話を続ける。

「そして彼は砂漠で死ぬ思いをし、そこでどうやら、変態になった」

俺はごくりと唾をのむ。

何があったのかはわからないが、何かすごいことがあったのかと思う。

「でも大佐、砂漠で変態化するの? まずそのウィルス強くない?」

まるで俺の真剣な考えを吹き飛ばすように、美怜が意味分からないと言った調子で言った。大佐はふうと溜息をつくと又急に叫んだ。

「説明するの面倒くさいな!」

「いや、そこは説明せい」

まるで用意していたかのように葛道が布団のそばからハリ線、あの昔のお笑いで使われていた優しい暴力。

それを大佐が叫ぶと同時に、取り出し、ツッコミを的確な、まるで渋い顔の暗殺者のような的確さで、打ち込んだ。

「はっ、スマン。取り乱した」

大佐はまたのあの訳のわからない発作から立ち直ると、厳しい顔に戻る。

葛道は何事もなかったように、ハリ線を戻し、スマホに顔をむける。

美怜はいつものことなのか、淡淡とみていた。「大佐、説明してよ」

美怜が急かす子供のように言った。

「すまんかった。 ウィルスの事に関してだな」

大佐はまた何かを胸…いや、もうこの描写を感化するのはやめよう。

俺は取りあえず出された物に目をむける。

大佐が取り出したのはタブレットだった。

もう何も思うまい。

俺はとりあえず心を無にし、画面をのぞき込む。

そこには球体に何本もの変な棒がくっついている画像が写っていた。

「これは?」

俺は顔を上げ、大佐に問いかけた。

「これはウィルスだ。 電子顕微鏡で見るとこういった形になっている」

俺と美怜はのぞき込む。

めずらしいのか葛道も同じようにのぞき込む。「へぇ、こんな形になってんのね。 でもなんだか、形がちょっと卑猥ね」

美怜はすこしだけ顔を赤らめながら、言った。俺はすこしだけ、ちらりとみてなんだかむずむずした気持ちになるがそれを抑えて、画面を見る。

画面に映し出されたウィルスはたしかに変な形をしていた。

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