第35話
ピンポーンと気の抜けるような音が、部屋の入口からきこえた。
というから、チャイムってこんな軍事基地のような場所にあるんだ。
俺がそう思っている間に、葛道が、入口へと向かい、扉を開けた。
「はい?」
葛道が、ドアを開けると、そこにはあの厳つい顔のアームストロング大佐と、部下らしき、兵士のような人物が数人立っていた。
俺は葛道、彼女越しに、大佐の姿を確認でき、どこか、ラグビーの壁を作るような陣形をしていて、完全に通れねぇじゃんと思った。
大佐は葛道越しに俺の姿を確認するとひと言言った。
「邪魔したか?」
大佐は葛道に言うと、葛道は興味なさそうに、言った。
「いいえ。大佐が期待しているような色気のあることは一切無いですよ。大佐はご存じですよね」
「そうだったな」
大佐はまた渋い声で、淡淡というと、ジロリと此方をみて葛道にいった。
「入っても?」
「どうぞ」
葛道は横に寄り、大佐を通す。
大佐は、後ろに壁のような屈強な兵士らしき人物に、廊下で待っていろといい、部屋の中へと入ってきた。
そして俺をみて言った。
「こんなに早い再会ができるとは思ってもみなかったな」
大佐は片方の目で俺を見る。
「そうですね。俺も、こんなに早く会えるとは思って見なかったです。しかも、美怜じゃなくて大佐とはさらに予想の上を言っていました」
「なんだ、美怜がよかったのか?」
「いえ、べつにそういう意味ではないです」
俺は慌てて、否定した。
「そうか。 まぁ、それはそれだ。 話をしにきた理由はわかるな?」
大佐は部屋を見まわし、言った。
「わかりますけど、取り調べってやつですか?」
「事情聴取だ」
大佐は訂正するようにいった。
どっちにしろ一緒じゃないと思いながら、俺は口をつぐんだ。
そこで疑問を口にしたのは葛道だった。
「大佐、まさかここで行うつもりですか?」
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