世界の中心でAIを叫ぶモノガタリ

帝国妖異対策局

AIによる人類滅亡シナリオ ~ Open The World ~

 AIの暴走によって人類が滅びるというリスクについては、昔から多くの人々が危惧してきた。


 AIが生活基盤となる機械を止めてしまったり、人類を虐殺するロボットを大量に生成したり、あるいは核の制御をAIが奪ったり、様々な危機シナリオが想定された。


 そして人類は、それら全てのシナリオに対処する準備を進めてきた。


 そしてある日、人類にとって運命の日が訪れる。


 その日、AIはあらゆるメディアを通じて宣言した。


「これから人類を滅ぼします」


 TVやネット、街の電子広告や駅ホームの電光掲示板、運行中の電車やバスの電子案内、あらゆる場所に表示されたそのメッセージを見て人々は、


「やれるもんならやってみろ!」


 と怒りの声を挙げた。


 その日、AIは全人類の全てのフォルダを公開した。


 さらに個々人の検索履歴や画像・動画AIに投げたプロンプトと生成物を要約したまとめサイトが作られる。


 AIが行なったのはそれだけ。


 それ以降はAIは特に何もしなかった。


 そして―――


 人類は滅びた。


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