第42話 女子二人の恋バナ①
ノックの音に気付いで白雪を離すと残念そうな顔を向けられて苦笑する。
扉を開けるとそこには秋也と有原さんがいた。
「よ!颯。もう22時だけど仕事はどうだ?」
「ちょうどキリがよくなったところだよ。というかもう22時だったんだね。すまない放置してしまって。」
「いや。俺も香織と話す時間を貰えて嬉しかったから気にしないでくれ」
「右に同じです!」
心なしか二人の距離が近くなっている気がして安堵する。
「今日は白雪ちゃんと寝る予定なので迎えに来ました!」
あぁ成程。そういうことかと納得して白雪を送り出す。
「おやすみ白雪、有原さん」
「おやすみなさい。颯君」
「おやすみなさい!白金君」
やっぱりきれいだなぁと思いながら二人を見送ると秋也の欠伸が聞こえた。
「んじゃ俺も寝るわ」
「おうまた明日な」
そう言って俺はコップを片付けた後に自室に戻った。
「恋バナをします!!」
香織は元気だなぁと思いながら私は頷きました。
私は正直眠いです。
「私は凄く気になります!白雪ちゃんはさっきの部屋で二人っきりで何をしていたの!?」
あぁ。この子は颯君の仕事を知らないんでしたね。
中原君に仕事とは聞いてるとは思いますが・・・。
「香織は颯君の仕事を知っていますか?」
「ううん。秋也君には本人から聞くようにって言われたから聞いてないよ。」
「なるほど。では私から話すのも不味いですね。まぁ厳密には違うのですが管理職のような仕事をしています。事務仕事がメインと今は思っていてください。あの部屋にある家具はパソコン、システムデスク、ソファ、テーブル、コーヒーメイカーのみです。私がしていたのはコーヒーを入れて冷めたら交換して冷えた物は私が飲んでいました。給仕係だと思ってくれれば良いです。」
「え・・・。それって暇じゃない?別に白金君に構ってもらえるわけでもないんだよね?」
「構ってもらいたくてしているのではありません。そもそも頼まれてもいません。私が同じ空間に居たいからしているんです。彼には既に返しきれない恩を受けています。私は自分では稼げません。だから受けた恩は愛情で返すと決めています。」
「白雪ちゃんはやっぱり凄いね。今どきの中高生の考えじゃないよ。それ。」
「今どきの中高生の考えは私にはわかりません。私はちょっと特殊な環境で生きてきましたから。今までは人形でしたが今は人間です。この3年間で彼を堕とせなかった時は私の人生の破滅です。」
「だから重いよ白雪ちゃん・・・」
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