第39話 風呂と男同士の会話

バスケを終えた俺たちは二人に勧められ夕飯前に風呂に入ることになった。

この風呂も俺が力を入れた部分で温泉にあってもおかしくないサイズ感の檜風呂だ。

因みに源泉を引いて垂れ流しにしているので水道代はかからない。

効能は疲労回復をメインとしたものだ。

ちょっと距離があったので引っ張ってくるのに値が張ったが今後水道代がかからないことを加味するとトントンだろう。

秋也は最初は驚いていたが何でもありだなと苦笑していた。


「なぁ颯。柊さんとは付き合ってるのか?」

「いや。婚約指輪が届くタイミングで告白するよ。向こうから告白はされたけど今は保留状態。親を巻き込んでいるから3年は同棲しなくちゃいけないし気まずくならないように見極めなくちゃいけないというのもある。」

「なるほどなぁ。大企業同士の子供ともなれば色々あるってことか」

「まぁね。婚約指輪が届くまで約一か月かかるからその間の同棲生活で向こうの気持ちが変わらなければ多分付き合うことになるよ。」

「んじゃ安パイだな。」

「何でだよ。」

「俺はお前の隣に3年間いるしお前に近づく女の目の色が濁ってたのに気づいてた。お前が好きというわけではなくお前が持つ金とお前と付き合っているっていうステータスにしか興味が無かったんだろう。」

「まぁそうだろうな。」

「だがあの子は違うね。彼女はお前の内面を重視している。側も少しは見てるかもしれないが見た目に関係なくお前の生き方に惚れたんだろう。自由をつかみ取る為に今も走っているお前の背中にさ。だから押し掛けたんだとおもうぜ?頑張っているお前を支える為にさ」

「あぁ。そうかもしれない。」

「わかってんなら幸せにしてやらないとな!親友!」


バンバンと肩を叩く手は鬱陶しいものだったけれどこんなにも俺を見ていてくれた親友が彼女を認めてくれたのは嬉しい事だった。

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