秋 その四
オレはライト層。愛車の軽四でお気軽な日帰り旅。
不思議なもんで、もっと遠くへとか、日本一周とかしようという意思は湧かなかった。
まあ、これからなにがあるかわからないし、何かのきっかけで心境の変化もあるかもしれないけど。
あのコンビニで晩飯を食って、それからの雑貨屋さんから1時間くらい走ったか。小腹程度は空いたか。それにしても、どうしてドライブで食う食い物はいつもより美味く感じられるんだろうか。
あの与一島のパーキングエリアで買うポテトスティックしかり。ついつい食い意地も張ってしまう。
まあ、一気に食いすぎるのも良くないけど、ある程度食っといた方がドライブにはいい。あまり体を動かさないで、楽なようだけど。実際は楽じゃないし、思った以上に消耗する。疲労がひどくなれば事故の原因にもなる。
ドライブで食うのは、安全にもつながるのだ。だから腹八分目ならぬ九分目を心掛けていたりする。などというが、やっぱり食うのは楽しいもんだ。それが食う一番の理由だ。
ぽりぽりとポテチを食い終え。缶コーヒーも飲み終え、自動販売機備え付けのごみ箱に入れ。
ミライースをスタートさせた。
この道の駅はダム湖沿いにあり。明るい時間に来れば、ダム湖周辺の景色を眺められる。今の時期なら紅葉も楽しめる。
川沿いの道を東に向けて淡々と走る。緩い下り坂だ。人生の下り坂はごめんだが、ドライブ、ことに軽四でのドライブでなら大歓迎だ。
ミラも気楽そうな感じだった。
その下り坂も終わり、フラットになる。平地になった。
道の駅を出発して1時間くらいすれば、集落といわず町となる。交差点に差し掛かる。別の国道とつながる交差点であり。ここが国道百九十何号の終着点だ。
オレは左に、北へと進路をとった。
今まで通った道とは打って変わって、暗いながら開けた景色が眼前に広がる。道も広がり、4車線路だ。
オレは左側の車線をとことこと走る。
家屋などの建物や街灯、信号のほかに、企業広告が目に付くようになって。山から下りたのだと実感する。
何より交通量が一気に増えた。
暗い時間帯とはいえ、地域と地域と結ぶメインもメインの大動脈的国道だ。明るさも増している。今までの道が続いていたなんてにわかに信じられないような変わりようだ。
閉店時間を過ぎて閉じられた大型量販店などの大型店舗も目立つようになる。
街道に入った。
4車線の広い道が続き、その両側を様々な店舗が挟んでいる。時々川をまたぐ橋もある。
このまま進めば、隣県の県庁所在地だが。その手前のところでかくっと曲がった。高速道路の行き先を示す標識にしたがったのだ。
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