2025/8/24

 小学生の頃に弟がいじめられる夢を見た。


 最悪な夢だ。


 現実では弟がいじめられないように頑張って守れてたし、弟自身が賢く立ち回ったおかげでいじめられずにすんでいたのに、そうはならなかった夢だったのだろう。




 前にみた、保健室でタオル突っ込まれて血がたくさん出ていたがっていた子の夢も、もしかしたら私がそうなっていた可能性の夢でもあった。


 もし、うまくいっていなかったら?


 そういう系統の夢だろう。


 見方を変えると、運が悪い中でも最良の道を歩いてこれていたのだと肯定してくれる夢なのかもしれない。


 嫌なこと、苦しかったことよりも、良かったことを数えられるようにしてくれる悪夢だ。


 やはり、良い夢だけでなく悪夢も私にとっては特別で大切なものだ。


 違う視点で物事をみられて、自分が大切に思えていることにも気づかせてもらえることがある。


 昔は家族が死ぬ夢を見て怖くて飛び起きることがたくさんあった。


 いろいろあったけれど、やはり私は家族が大好きらしい。




 弟がいじめられる悪夢のあとに続いていたのは、昨日届いたドレスを夢でも着ていたところだった。


 現実では裾を引きずらない長さなのに、夢の中では裾が長すぎてひきずりまくり、現実でも女装にしか見えなかった上半身部分が夢では強調されていた。


 その恰好を気に入ってもらえて、どこかの豪邸で弟もろとも引き取ってもらい、使用人として働かせてもらえていた。


 弟と同じ部屋で暮らしていた。


 廊下に出られるドアがあるけど、隣の部屋にもドアで行けるような部屋。


 窓の外からは実家のベランダそっくりな庭が見えて、なぜか芸能人がたくさんうちの部屋を尋ねてきていた。


 弟に話しかけに来ていたようだったけれど、何の用事だったのかさっぱりわからなかった。


 わからないなりに、私は弟が心配で何を聞かれていたのかしきりに尋ねていた。


 使用人としての仕事は忙しそうでいてそうでもなく、働いている間に庭に不思議な花がたくさん咲いて、私の代わりに弟の面倒を見て見守ってくれていた。


 ランタンのように光るかぼちゃみたいな花、風に揺れると綺麗な音色を奏でるスズランのような白い花、嗅ぐと落ち着いて眠れてしまうほど良い香りを漂わせる色とりどりの花々。


 会話ができるわけじゃないのに、触れたら弟の様子を逐一報告してくれる花。


 たくさんの花のおかげで、気が立っていた私はどんどん落ち着いていき、弟も少しずつ元気になっていた矢先だった。


 どこかの頑固そうな爺さんに物の場所を尋ねられ、見かけた場所を口にすると言いがかりをつけられたり、「ほらやっぱりお前が隠していた」なんて酷い物の言い方をされて口論になっていた。


 弟はそれをみて「お母さんそっくり」と言いながら久々に笑ってくれて、私自身もお母さんみたいな喧嘩仕方だなと思って見ていたから大笑いした。


 他には、水をまとって先端を蜘蛛の巣の形にしてどこか行きたい方向へ放り投げ、投げた水にひっぱってもらってビューンと飛んだりしていた。


 楽しいけど下手したら地面に真っ逆さまになるのでスリルもあった。


 そんな暮らしをしている私のことをますます気に入ってくれたらしき女の子が、同じ部屋にきてほしいと誘ってくれていた。


 屋敷でも周辺でも魔女と言われるその子だったけれど、なんと、隣の部屋に住む女の子で、ドアの向こうで待ってくれていた。


 他にも小さな女の子が誘われていて、三人でこの部屋に住もうと言われていて目が覚めた。

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