栄枯

カクヨミ

第1話 夢の中


君との話はとても楽しかった

耳障りにいい加減な足音響かせて

始発まで嘯いていたあの頃

積もるだけ語り終わった話はもう、忘れてるかな

自分に夢中で、それが許されると勘違いした街に中毒で、熱に溺れていた 

輝いていると思っていた光は自分じゃない

君を照らすスポットライトの中にいたんだ


分からない

君が教えてくた、大切な夢中になること

醒めていく理想と

夢を見れなくする時の流れに抗ず

つまらない人間になっていくことがすごく怖い

君が居なくなってから色々考えて

そしたらやっぱり退屈なんだ、自分は

夢なんて全然見てない

見ていたのは最初から君だった

一緒に肩を並べて街を歩いた時も

一途になって曲を作った時も

考えがぶつかって罵る時も

心の底から笑った時も

去っていく時も

全て君を通して感じていた、見ていた景色


夢すら見れない人間に理想をくれた

近くに感じることで夢を見させてくれた

なのに君が居なくなって全てを失っていく

こぼれて あふれて 涙がとまらない


忘れてしまったのかな

忘れたかったのかな

涙が止まらない



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栄枯 カクヨミ @tanakajk

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