本屋がなかった町——その町に本屋をつくろうとした人たちと、それに反対した人たち。さまざまな立場と思いが交差する。これは、静かで切ないノンフィクション風物語。
感情としては間違いなく主人公寄り(電子書籍は読むし利点も享受していますが、やはり紙の本が好き)ですが、各人の主張も間違っていない。間違っていないんです。悪人は誰ひとりいなくても、しかも誰もが良かれと思い言葉を重ねても解決出来ない問題。そんな社会の問題と、その問題の中で交錯する関係者たちの思いが短い文章の中に凝縮されています。溜め息をつきたくなるような思いかも知れませんが、それでも心に残る話でした。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(215文字)
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