第46話 秋の章(2)
「なんだ。デカい声出して。そんなにデカい声を出さんでも、聞こえるわ。そもそも、用事があるなら携帯に連絡をくれればいいだろ」
ぶつぶつと文句を言う
「母ちゃん、電話したって言ってたぞ。繋がらなくて困ってるって」
青島くんの言葉で、ポケットへと手をやり携帯電話を探す
「つばささん。すまんが、今日はこれで終わりにしてくれ」
「はい。私は、ここを片付けたら終わります。ところで、携帯はあったんですか? どこかに落としたのなら、一緒に探しますよ?」
「大丈夫だ。大方、軽トラの中だろう」
「なんだよ。携帯の意味ねぇじゃん」
サラリとツッコむ青島くんを一睨みしてから、
「実は今日は、つばささんと焼き芋をしようと思って、用意してきてたんだがな」
「覚えててくれたんですか?」
私の師は、いつもムスッとしていて、一見取っ付きにくそうに見えるが、実は、とても優しい人である。作業の合間に交わした言葉を覚えていて、時々こうして、サプライズのような事をする。今回も、私が焼き芋をしたことがないとポロリとこぼした言葉を覚えていて、用意をしてきてくれたようだった。
「せっかく持って来たんだし、
「なんだよ。俺じゃ役不足みたいな言い方しやがって」
「そうだろ。おまえより、ワシの方が確実に上手い芋が焼けるわ」
「まぁ、そうだけど……」
「あの、私は、今度でも。青島くんも、この後、部活があると思いますし」
「ああ。部活か……。まぁ、今日くらい休め」
「俺、今日は、もともと部活休みなんだ。もう帰るだけで、特に予定もないから、付き合えるけど? その……白野さえ良ければ、だけど」
「そうなの?」
「なんだ。休みなら、何も問題ないな。先生にはワシから言っておくから、くれぐれも火の始末だけは気をつけろよ」
なぜか控えめな青島くんと、なぜか楽し気な
そうこうしている間に、
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