第9話

そして次の日


俺たちは食堂に集まった。


誰も喋らないまま食事が終わる。


このまま誰も主人に勝てないで皆死んでいくのだろうか?

ふとそんなことを思ってしまう自分がいる。


そして次のゲームが始まろうとしていた。


ゲームをするのは若い女だ。


俺たちはいつもの席でゲームを見ている。


女は彼氏がいたがその男は働いていなかった。

いわゆるヒモだ。

女から金を貰い遊びほうけていた。

女は貯金もなくつい先日妊娠が発覚して仕事を辞めたばかりだ。

男に妊娠したことを告げると男は女の前から姿を消した。

女はもちろん男を探したがみつからなかった。

友達も誰も知らないと言うだけだった。

実は男は遊びの女のところに転がり込んでいた。

もちろん元彼女も遊びだった。

友達は知っていたが教えなかった。

そんな男はやめといたほうがいいからだ。



女は子供をおろすか迷っていた。

結局産むことにした。

一度は愛した男の子供だ。

そして女は金が必要になった。



女の選んだゲームは利き酒だ。

元ホステスだからお酒には詳しかった。


そしてゲームは開始された。


女と主人のもとに酒が運ばれてきた。

女は安定期に入っていてつわりも落ち着いている。

女は運ばれてきた酒の匂いを嗅いだ。

そして一口酒を含むと味を確かめてバケツに吐き出した。

女と主人は正解した。

女はいい勝負をしていた。


そして最後の酒が運ばれてきた。


女は一瞬固まってしまった。


見たことも無い酒が運ばれてきたのだ。


女はダメ元で匂いを嗅いだ。


駄目だ全然分からない。


酒を一口含むとバケツに吐き出した。


女が飲んだことのない酒だった。


すごい貴重な酒なのは分かったが何の酒か全然分からない。


主人は女に言った。


「どうしました?」


女は青ざめた顔で焦り始めていた。


私が負ければお腹の赤ちゃんも死ぬことになる。


私は絶対負けるわけにはいかないのだ。


私は飲んだことない貴重な酒の名前を必死に考える。


やはり全然分からない。


もうダメかもしれないと諦めたときだ主人が酒の名前を答えて正解したのだ。


私はお腹の赤ちゃんと一緒に死ぬのかと絶望した。


主人は手を叩いた。


女が連れて行かれた。


主人は自分の部屋で女に話しかけたが答えはない。


主人は手を叩いた。


女は連れて行かれた。


女はベッドに寝かされ腹を切られた。


女はこの世のものとは思えない痛みに叫び声をあげる。


暴れまわるが手足を梗塞されていて上手く動けない。

お腹の中の赤ちゃんが強引に取り出された。


女はかなり出血している。


朦朧とする意識の中で女は考えていた。


私の赤ちゃんと天国で会えるかな?


最後に赤ちゃんの顔見たかったな。


ごめんね、守れなくて。


そして女は出血多量で死んだ。


赤ちゃんと一緒に。

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