第5話 雪の降る街で
夏も終わり、寒い寒い冬が来た。私は冬が苦手なので、暖房器具は全部つけないと冬を過ごせない。たー君はというと、冬は好きでもないし嫌いでもない、らしい。
今年の冬は昨年よりもさらに気温が低く、雪も沢山積もるみたいだ。そんな寒い冬に、かかせないのが皆さん知っての通り、コタツだ。
冬があまり好きではない二人にとってコタツは本当にありがたい。コタツの中で手を繋ぎながら寝たり、足を組んで寝たりして冬を過ごしている、今日この頃である。
今日は気温が氷点下らしい。朝起きてまず、たー君が暖房とコタツをつける。私はその時まだ、ベッドの中にいる。たー君が私を呼ぶ。
「コタツつけたよー。起きておいでー」
私はたー君に呼ばれて、のそのそとベッドを出て
リビングにゆっくり歩いて来た。
たー君はコタツの中にいて、私はすぐさま、たー君に抱きついた。
「たー君、あったかい。ずっとこうしてたい。へへ」
たー君は、コーヒーをいれてくれていた。
「ほら、早く飲まないと冷めちゃうよ」
「わーい!たー君のいれてくれたコーヒーだ。
うーん!美味しい!」
たー君は、笑顔になってコーヒーを飲んでいる。
私はふと、窓の外を見ると雪が降り始めていた。
少し白く積もってきている。
「たー君!外見て!雪が降ってるよ!少し積もってるね」
「ほんとだね。外すごく寒そうだね。今日はゆっくりお家でのんびりしようね」
「うん!あ、でも今日の雪はめちゃくちゃ積もるらしいよ。私、子供の頃しか雪だるまを作ったことがないから、今日雪が積もったら一緒に雪だるま作ろうよ!」
たー君は少しめんどくさそうに
「積もったらね。でも、少しだけだよ。寒いから」
私は、たー君と一緒に雪だるまを作ったことが今までないので、とても嬉しかった。雪が沢山積もりますように。
そんな事を願っていたら、お昼になった。今日のお昼ご飯は、うどんだ。たー君は、うどんが大好きなので、いつも作る時は2人前よりも多く作っている。うどんはワカメとかまぼこと丸天の、至ってシンプルな具材だ。
「今度、部下が教えてくれた美味しいうどん屋さんに行こうか。俺が運転するから。」
「わーい!楽しみにしてるね。いつ行くの?」
「うーん。再来週の日曜日かな。人多いと思うけど、その日しか休めなくて。ごめんね」
「いいよ!たー君とうどん食べれるなら、いつまででも待つよ。でも、すぐにでも食べに行きたいけどね笑」
「ははは。そうだね。すぐに行けたらいいのにね」
そんな話をしながら、お昼ものんびりと二人過ごしていた。
お昼ご飯を食べ終わって、二人ともウトウトして
コタツの中で寝てしまった。
やけに寒いなと思い、目が覚めて窓の外を見てみると、雪が沢山積もっていた。急いで、たー君を起こした。
「たー君!外見て!ほら!雪がこんなに積もったよ!早速雪だるま作ろうよ!」
たー君は、眠たそうに目をこすっている。
「えー。もう?あ、こんな時間か。わー。めちゃくちゃ積もったね。こりゃ雪だるまも作れるよね」
「うん!作ろう作ろう!」
私は暖かいカーディガンを来て手袋とニット帽を被った。たー君も準備をした。
窓を開けると、とても冷たい風が吹いた。二人は早速雪だるまを作り始めた。最初はなかなか上手く出来なかったが少し作っていたら、だんだん上手くなってきた。
「たー君!私の雪だるま見て!どうかな?」
たー君は雪だるまを作る手を止めて
「わー!俺のよりすごいじゃん!俺のなんか
下手くそ笑」
「たー君も上手だよ!よし、雪だるま作りはこの辺にしようか。私ももう寒くて死にそうだし笑」
「そうだね。もう終わろうか。沢山遊べて楽しかったよ!」
「うん!私も!来年も雪だるま一緒に作ろうね!」
二人は部屋着に着替えて、夜ご飯を食べた。
今日はカレーだった。たー君はカレーも大好物なので、今日も沢山作った。
カレーを食べ終えて、たー君がお風呂に入ろうとすると
「ねえ。今日はいつもより寒いから一緒に入ろう?ダメ?」
私が聞くと、たー君はお風呂の準備をしている手を止めて聞いてきた。
「うん、いいよ。でも明日朝会議があって早く寝ないといけないけどいい?」
「いいよ!早くお風呂入って早く寝ようね」
「うん!」
私達は早くお風呂を済ませ、寝る準備をした。
もう少しゆっくり入りたかったけど、せっかく一緒にお風呂入れたからいっかと心の中で呟いた。
「たー君、おやすみなさい」
「うん、おやすみ」
二人は今日も一緒のベッドで眠りについた。
また、雪だるま一緒に作れたらいいな、あと、もう少し沢山たー君とくっつきたいな、、、。と心の中で願うのだった。
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