第15話
「お嬢様、お話があります。」
「………………………………………何かな?園長?」
園遊会が終わり、庭園を視察していると動物園長に就任した男爵家八男に声をかけられた。
本来ならば私に伝えたいことがあるなら、立場的に執事かメイドを通すべきなんだけど、無視するのも如何かなと思ったのでお返事はしてあげた。
「動物園への出資と動物の提供、ありがとうございます。庶民の子供たちのみならず、貴族子弟や親御様達まで動物達と触れ合って癒されております。」
魔王配下の魔物達の受け入れ先として動物園を作ってみたものの、園長に就任する貴族子弟の選任が難航して、巡り巡って今私の目の前にいる男爵家八男が就任したと聞いていて。
正直、彼にとっては貧乏くじなのかもと思っていたけど大丈夫だったようね。
『………………………………………まおー、聞こえて。この子、園長としての適性はどうなのかな?』
『素晴らしいの一言ですね。』
『………………………………………そう、ありがとうね。』
「………………………………………そう、では、貴方に私の持っている子爵位を授けます。領地と代官も付けますので、以後精進するように。」
まおーの仲間を守ってもらうのだから、これぐらい当然よね!
私の言葉を聞いていて固まったままの園長と、周りで聞いていた園遊会出席者の驚愕の表情。
「叙爵の儀は追って知らせます。支度金を届けさせますので、間に合うように準備を。」
庭園に居た人々は、私が去った後もしばらくは身動き一つ出来ずに固まっていたそうな。
後日談として、園長就任の打診を断った人々が、地団駄を踏んで悔しがったそうな。
公式に私の依頼で園長を募集して、応募が無かったから下位貴族家の三男以下に就任を打診した結果なんだからね。
動物と聞いて毛嫌いしたのは、どうかなとは思ってたけどね。
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