令和七年水無月から令和七年葉月まで

令和七年水無月

梅雨前に 松を切り終え ひと心地 形見えれば あとは刈るだけ

振れば止み 止めばまた降る 梅雨空の 雨音聞いて 夜をふかし行く

有終の 火を噴きあげて ロケットの 長きにわたる 行方を思う


令和七年文月

炎天下 響き轟く 草刈り機 蝉の時雨も 叶う能わず

暁の たなびく雲は 茜色 色は忽ち 薄墨色へ

さようなら ノートパソコン お元気で 壮健であれ 譲り先にて


令和七年葉月

アキアカネ いやそれ待てよ ナツアカネ? 違うと知りて 惑いが増える

炎天下 飛びて留まる 夏茜 夏の節目は いずこなりやと

夜を徹し 秋雨の雲 雨を吐き 蝉も蛙も 押し黙り居る

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三十一文字の歳時記 四辻 重陽 @oracle_machine

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