似非でも忍者は忍者になりたい(【旧題】天才忍者のVRMMOから始まる物語)

Pgu

プロローグ

小さい頃から憧れていた――

物語に颯爽と登場する忍者に!


時に夜道を駆け…

時に情報を集め…

時に暗殺をし…

時に変装し…

時に忍術や忍法で敵をなぎ倒し…

忍具等で敵を翻弄する。


そんな忍者の自分を想像し、憧れた。


…なぜ拙者が本格的に忍者を目指し始めたのか、そのなんてことない理由を話そう。


あれはそう、幼稚園生の頃のある日友達に『まだ忍者なんて信じてるの?』と言われた事からに遡る。


_____________________________________

【回想】


ある日、幼稚園の頃、将来の夢を書く事になった。

先生が配布物の確認のために声を上げる。


「今回は皆の将来の夢を書いていこっか〜!紙は行き届いたかな〜?」


先生が言葉を言い終える前に、なりたいものを決めていた自分は迷わず配られた紙に『忍者』と書いた。


そうして幼稚園の頃、よく遊んでいた友達の一人――今はA君と呼ぼう――がこちらに近付いてきて面白半分で小馬鹿にするように言った。


「お前はどうせ忍者だろ~?」


A君の言葉は当たっていて何故小馬鹿に言われたのか分からないまま言い返せず少しどもった声を出しながらうなずいた。


「そ、そうだけど…」


そんな肯定にA君はケラケラと笑いながら馬鹿にしてきた。


「お前まだ忍者なんて信じてるのかよ~!だっさ~w」


そんなA君の言葉にかなりムカつき自分も面白半分で小馬鹿にするように言う。


「お前だってエンジェルマン信じてるじゃん?」


自分の小馬鹿にするような言い方にムカついたらしいA君はムキになって言い張る。


「は?エンジェルマンはいるし~!」


自分は私情100%込めてお返しというよう馬鹿にした。


「ぷぷっ!お前まだエンジェルマンなんて信じてるん?だっさ~w」


その後なんやかんやあって言い合いとなった。

よくある園児の喧嘩、その喧嘩は先生の仲裁が入るまで続くこととなった。


先生の仲裁が入り、お説教をされた後。

自分はすぐに帰宅し、友達に居ないと言われて気になった忍者の有無を調べた。


そして調べて分かったことだが今の時代に忍者はいない、との事だった。


だがその事実に自分は…八重乃やえの 四十九よそくは絶望しなかった。


それどころか心に火が付き、より強く忍者になりたい!と思った。


だが思うだけでは時間が経つだけ…ならば!

「早々に特訓開始じゃあ!」


そうやってどれだけ意気込んで頑張っても時間を止めることはできない、

だから自分は並行して忍者になるための練習を開始する事にしたのだった。


_____________________


その練習のさなかに自分のことを《拙者》、

語尾を《ござる》にし、色々な言葉を忍者っぽくした。


幼稚園からこれらの言葉を使っていたから高一になる間にはこれらが癖になっていたのでござる。

序に言うと痛い奴扱いされたでござる…。


そうして訓練をやり続けた結果、

高一の頃には友達が一人しか残らなかったでござる。


そして今さっきその友達経由で今年リリースされるVRMMOの存在を知ったところでござる。


友達はβテスターというものらしく、やってみた限り色々なロールプレイができるという、

それ以外もなにか言っていたでござるが覚えていないでござる。


まだ見つかっていないが、お前が望む忍者もあるかもしれない!との事。


ならば買うしかない!これまで貯めた全…って、半財産も行かないで買えたでござる。

VRギアとソフトを買って早速始め…―


「あれ?何故か出来ないでごさる、

あっでもこの感覚凄いリアルでござるな!

生体認証?が拙者の体の構造そのままをこぴーするから…だったでござるな!」


四十九は友に教えてもらった部分を自慢げに語る。


この部分は友が拙者を忍者みたいだと褒めてくれたので覚えているござる。

…逆に言えばそこ以外聞いてなかったでござるが。


「はぁ、これがばぐと言うやつでござるか、後で友に連絡しとくでござるか…」

だが四十九は体を動かすのに夢中になっており、手の甲の数字に気付いてはいなかった。


その数字にはこう書いており…


【18:53:03】

そしてその数字をタップすると


『ただいまサービス開始準備中です、

もうしばらくお待ち下さい。


サービス開始予定時刻

     午前5:00』


このことを後で友達から教えて貰った四十九はおもくそにバカにされたのであった。


ぐぬぬ…おのれA君めぇ〜!

かなり恥ずかしいでござるよ〜!

________________________

【追記】


四十九は練習を

全部長袖長ズボンにマフラー、サングラス、帽子や手袋等、全て付けたフル装備でやっていたため体力も化け物レベルになっております

(3日間休憩無しで戦い続けてもまだ余裕なレベル)

まぁ、水とか無きゃ結局死ぬけどね!ははは!


⚠️エンジェルマンと仮面をつけて変身し戦う正義のヒーロー達の事

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