夫婦にお礼を言われ、様子を見に来ると伝え、ダービット家を後にする。

　　グラスカメラON

　『見えているのはアレス大陸、アラル神国、神都アラルの中心街です。

人族と獣人が同率で混在する様です、怒られそうで凝視できませんが、

耳、尻尾在りますよ～、アニマフェチじゃ無くてもワクワクします。

　道路は２車線分より広く、端を歩く人も多いですが、交差点付近は混雑、

信号機が無い為、渋滞気味の騒然たる雰囲気、市場や大きな商店は大混雑、

あー、尾行されてますね、僕って金持ちで弱いボンボンに見えますか？、

えッ違う、もっとお気楽のお上りさんですか～、泣いちゃうぞ。

　路地へ入り、誘ってます「お前、何ブツブツ言ってやがる」来ました定番、

「変なマスクしやがって」数人で遠巻きに逃げ道遮断、刃物迄見えた。

「君達、ニャニヤしてるけど、やられる事も有るんだよ」見張りはっと、

「大人しく出しやがれ」

「脅して来たので反撃です［収納］見張りの身包み剥ぎ」

「ギャー何だ」すっぽんぽんの男が道の両端で声を上げる

「裸よ、変態よー」逃げ出す二人を誰も追いかけない、係わるだけ損です、

見物人も遠巻きにチラホラいるが、助けに来る気配もなく見ているだけ

「やったのテメ～か」殴りかかって来る６人をかわしながら気絶させ

剥いて行く［収納］手応え無く終わり歩き出そうとした時

「パチパチパチ」拍手しながら寄ってくる者が居た。

　「そいつ等を捕縛し警備へわたせ」後ろの者達に指示を出し、

僕へ向き直り話し掛けて来る、仲間を助ける仕込みの芝居かと思ったが、

ポコル様子を見て違う様だとおもいなおす。

「力量を見たく放置したが、お強い！、それも予想以上に

で、失礼ながら少しお話をさせて戴けませんか」声を潜め

「ここでは障りが有まして名乗れません」

馬車が寄ってきた、乗り込むとお互いに顔を見合わせ値踏みをする

話出したのは向こう、「世情視察をしておりました、お見掛けして

意図を察したので、黙って見守って居りました」「そうでしたか」』　

　カメラOFF

　「私は隣町の領主をしております、と言っても隣国クマルビでして、故に

あの場での名乗りは、障りが有ったのです、隠れ視察でして」ニヤり微笑む

目的地に馬車は着いた、近くのホテルのレストランで個室へと案内された。

飲み物が出された後、護衛も退け対面で向かい合う。

　「リチャードと申します、隣国クマルビ王国、国王の弟です」

「闇龍司と言います、発音し難そうなのでリューとでも呼んでください」

飲み物に手を付ける、混入物は無さそうで、不審な感情もこない、

ただ、味が馴染めない。

　「失礼だが、今お幾つでしょうか？」

「１８ですが」

「１８で、あの強さ…、率直にお聞きしますが、貴方は今、噂の召喚者の

勇者様ですよね？」…間が開く…

「勇者とは如何なる事でしょうか？」

「その歳で、その強さ、噂の黒目黒髪、条件に合います」

「勇者扱い四名、神殿の訓練場に居りますが？」

「確かに居りますな」

「なら何故に勇者扱いを」

「アナトにも配下がおりまして、アーシア様と黒目黒髪の噂が」

「流石に凄い、カマ掛でも情報力は感心しました」

「フッ、無駄な駆け引きは止めます」

「ご用件は？」

「勇者召喚の情報が欲しい、貴方なら全て知っているかと」

「見返りは？」

「私のできる事で、貴方に必要な物でも事でも」

「ホウ、値段の付かない豪華な空手形ですねフフフ」

「金銭をお望みで？」

「金銭なら恐らくこの星で一番持ってます」

何を馬鹿な事をと言い掛けて「まさかドラゴン大陸」

「グイグイ来ますね、正解、大陸貰いました」

「ドラゴンと隣国を潰した噂…本当だったんですね、ドラゴンも…とは

大陸ときたか、困った～予想以上の展開でパニックだ、考えつかん」

と言いつつ嬉しそうに笑う、探る気配が一気に消えた。

「話を戻して、貴方の情報下さいと言ったら？」

「行き成りそう来ますか、この世界の最高機密ですよ、高いですよ」

「僕の身柄一つなら、其方の大損ですかね？」

「貴方の価値が分かりません、が、人一人が対価ですか…、

確かにこの世界は奴隷も居て命の価値も低い、ですが人には可能性が

存在します、貴方自らも価値を見出せて大化けるかも知れない」

「この世界ですか…英雄の事は否定しないのですね？」

「価値ある秘密も何れ知れる事だし、貴方との出会いも縁なのかも

良いでしょうお話しします、対価はお任せにしましょう」

「空手形、値段が付かないのは重い、働き次第なら破格の貢献しろですか」

「逆スパイ仕様で関係を持つなら、お互い利益や協力が欲しい」

「アッハッハ、こんな楽しい事が起こるとは、信用しろとはいいません、

機会が来たら部下にしてください、その時は国も捨てますよ」

「決断早すぎない？」

「チャンスは最初が一番嬉しく、価値の有るものです」

［瞑目して僕の声を聞け［僕の仲間になり、共に進み絆を結びたいか］］

［結ぶ、王弟の楔を断ち切り、羽ばたかせてくれる貴方に付いて行く］

光始める全身を見て、心に満ちてくる思いに、新たな道が開けた事を知る。

　「今回の騒動の原因は、アレス大陸、アラル神国の教皇の選挙。

大司教ドナウド三世も立候補の予定だが劣勢

打開策が招喚できる力を持つ大司祭の評判、禁忌のは件は無視

実際に勇者召喚の実績を見せた、四人招喚し現在訓練強化中、

ここ迄が正規のお話、ここからは三世も知らないお話。

　召喚時に想定外の事態が発生した。　

勇者召喚は通常死亡召喚、地球で死亡、魂のみ転移、贄で身体を再生する

偶然で龍司が巻き込まれた、龍神加護持ちで死亡時に発動召喚を阻害した

結果、生者召喚（異世界転移）して、偶然に贄儀式に呼ばれた

アナトに間者が居るなら、ここまでかな？」

「生殺しにしないで下さい、その先を」頭を下げるリチャード

「贄儀式でアナトのアーシア姫と知り合った

竜一族と絆を持ち、結果、竜族はドラゴニュート化へと進化した

竜の守る大陸を譲渡してもらい、密かに建国、アナト国とエーツ帝国の首都、元住民の三割程が移住済と、これで全て話したかな」

「もう一声、この国での状況を」首を竦めて哀願される

「勇者は訓練場で訓練中、実力は古参騎士と戦える程度、

ダービットを含む第六騎士団は篭絡済」

オマケとばかりにダービットの子の話で三世の所業も教える。

「これは予想の斜め上の、さらに上じゃ無いですか」

「クマルビ王国との、今後の関係も考慮して、兄に話せよ、何れ知れる事も

多いが機密の保持、開示、故意の漏洩等での使い道は任せた得意だろう？」

「ククク笑いが止まりません、我が主よ、この世界での貴方の能力、

それだけで世界が変わります、城や建物を収納できるだけで国が盗れます、

なのに…ククク」

独り、子供の様に笑い転げる彼を見ながら、話していて感じた何か？

思い出そうとする顔を見て「どうしました？」下から覗き込まれた

目の前に土下座で「失礼な事しました」ガバッと頭が下げられる。

「あー、いや、君の喜ぶのは小気味好いくらいで、何かを忘れて

悩んでいたけど今、秘密が増えた」

「エッ」

「君の身分なら、特に懇意なお抱え商人は居るだろう？」

「居りますよ」

「最初のお仕事だ、サンプルが欲しい」空間から数回掴みだす、

「お、お、お～～」部屋中に竜の鱗や、宝飾付きの武器、鎧が積まれる

「買い込む資金はこれでいいかい？」

「多すぎで、笑いがぶり返しますよ、さすが言うだけ有るハハハ」

呼び鈴を鳴らし、来た者に耳打ちし走らせる「成程、竜の鱗に光物ですか」

　ノックが有り、許可で男が入って来て、部屋の様子を見、ワナワナしだし

リチャードに目線を合わせ指をさす「あ、あれは竜の鱗ですね、あれ程…」

「交易品のサンプル購入の対価だそうだ」

「クマルビ王国の十数年の予算には成りますよ」

「挨拶しないと、商売させてもらえないぞ」やっと僕の存在に気づいた様で、

「ポルコと申します、リチャード様には…」

「挨拶は省略、僕は龍司、彼に相談事」

「どの様なお話でしょうか？」

「今回商談する為にサンプル収集をしてもらう、新国家で大量に必要、

更に将来的に君達の知らない世界ともになるかも」

「新国家と申されますと…」

僕の言葉に途惑いリチャードに目線を向けたので彼が口を開く

「竜大陸の新しい国だよ、龍司が作った国」

その言葉にポルコが、目を剥いてアワアワ始める。

「ねえリチャード、いきなり僕の名前出すからこの状況、まだ信用無いんだよ」

「悪い、僕がポルコに最初からの経緯を話す」とリチャードが話しだし

不足分を僕が補い、わなわなが強まったが

　「商談の前に二人の関係を教えてよ」リラックスの為話を振ってみた。

リチャードも理解し、ポルコとの関係を話し始め、やがて二人の掛け合いになる

食事を楽しみながら聞き考察する、やがて「凡そ終わった」との声

ポルコを見つめると、リチャードに対し畏敬の念が見て取れ、平常にもどってる。

「瞑目して心の声を聴け［僕との商いをしたいか、したくば絆を結べ］」

「心での契約ですか…」契約後、考え込む様子に

「ポルコどうした？」リチャードの問いが

「リチャード様感謝致します」低頭する商人が

「夢でなければ、お告げの如く心で話せました、私共は商売柄腹の内を探ります

商売で相手を知る為です、しかし契約したらお二人の感じているだろう気持ちを

何故か良く解るのです何かが変ったと、龍司様に付いてまいります」

「まあ、表的には人の目も有り立場も有るから、ドラブルを避ける為今迄の様に、

絆持ちだけの場は対等の立場で居て欲しい」

「今、秘密が増えたね」

「確かに」リチャードの言葉にポルコも笑う。

　和やかに成った場で話が再開した。

今後必要であろう生活物資や交易に向く品物をサンプル収集し、目処を付ける、

気が早いが、何故か必要に思へ話をしたのだ、が…

「君達との契りで、世界間転移ができるように成った」

「ポルコ聞いたか、ここ迄の大ぼら、龍司が道を外さぬよう、付いて行くぞ」

「はい、喜んでお供します」

その夜は親睦会と成り、リチャードの取った宿で過した。

　話は翌日進み具体的に話してゆく、この地の特産や産出物の収集だ。

「サンプルはー、宝石は原石の欠片、貴金属は精錬前の鉱物、金属製品、布地、

薬品、種類が多い程良い、不要な物が多いと困るので今回の量は少なめで。

市場で売ってる物も欲しい、数や量は、少なくて良い、腐る物はすぐ収納する、

収納後は時が止まるから処置はなしで良い、何度か往復するだろうから、

僕の収納の出入り口を共有させる、代金は先程の鱗の売却で頼みたいが、

早急に無理なら立て替えといて差し引いといて、不足なら空間にも在庫は有る。

秘密厳守が出来そうなリチャードの伝手はしっかり使って優遇も君次第」

「何ですかこの収納物の量は…」

「龍のお宝、鱗が不足なら…」

「滅相もない」

「出入口共有は我も願いたい」

「この星一番の金持ちの話も…まんざらで…」

「本物ですな、段取り々収納便利！」

二人共自分の応援を呼び、ポルコは競売、仕入れの算段、部屋の物の梱包等に

リチャードも兄への報告、領地の代官での施政運営の許可へと動き出す、訳は

将来の大使権限もって自由に行動できるようにで、龍司と共に有りたい様だ、

龍司の件はぼかして、何れ謁見を前提にしておく。

　夕方迄再び街へでる。

　カメラＯＮ

『ここが大聖堂、EU各地の建造物に比べれば、やや小規模です。

周りが少し雑然としていますが、意外と落ち着いた雰囲気で、良い景色、

ドローンが無いので魔法で、上から見ますか［透明］［フライ］

「ウヒャ～、怖いです、足場が無い感覚って恐ろしい」

三角二つのの組み合わせ、ダビデの星ですね、中心六角に有るのが大聖堂、

建物見えても役所名を知らないので…「すみません」

広い平屋が見えますね、あれが市場、日本ではあまり見掛けなくなりました。

これが勇者の居る騎士舎、隣が騎士訓練場、ここは第六騎士団、降りますね

「騎士さ達変りはない？」

「変らんよ、大丈夫だ」

「勇者さんは、元気か？」

「龍司さ～ん」美咲が走り寄って来る

「今日は元気だね」

「うん、絆って親しい仲間なら話できるじゃない、

志保と心で話せたのよ、龍司さんと同じ様に話せるのよ［好きエへへ］

魔法もね「ヒール」」僕の身体が淡く光る。

「へ～、やるもんだ、美咲ちゃんは魔法はもっと伸びる」

「ありがと、嬉しい」歩いて皆の傍まで行き声を掛ける

「皆のも見せて欲しい」と、お願いすると、話に乗ってきた

「剣裁きがうまくなったと隊長が誉めてくれた、「豪打」」試し切り用の丸太が

押し潰された様に切れる「木が潰れる程なんだ、見たか」パチパチ

「おれは地味だけど、バリアだ」

「この木剣投げるからバリア張ってね」

ピュン［バリア］「コン」当たって落ちる、あちこち投げるが落とされる

「身体の周囲全体にバリアが張れる」

「おー、槍か成る程」

「隊長が弓の腕が上がったって」ストンと的の中心に突き刺さる「ね」パチパチ

「戦闘スキルの無いのは志保ちゃんだね、矢を持たずに構えて、そうそう、

指の感触をイメージして、挟んだ矢じり、摘まんだ矢羽根、唱えて［空矢］」

「驚く前に、もう一度」

「的には外れたけど、できました」さらに打ち続ける

「火矢、複射も同じ要領で」

「出来そうで、出来ない」

「焦らずに続けて」

　「美咲はヒールの時、傷なら縫う、骨なら繋ぐ、気分が悪ければ症状の改善を

と適切にイメージすれば、効果が上がる」、手を突き出したり、弾いて見せて

突き出し［ライト］、弾き［つぶて］と、やってごらん」手応えに没頭しだす

　それを見ていて「贔屓するなよ、俺達にも襲えろ」

「雄二君は踏み込み時に、加速するイメージ、「ターボ」だね、

後、能力的に「ステップ」が得意な筈、ダンスの要領で横や後ろに跳べば、

攻撃の幅が広がるよ」言われた事を始めだす

「お、おう、俺の事、解かってるじゃないか」

　「俺は？」　「武史君はゲームやるよね、その中のマップ付きゲームの地図

イメージして、訓練場を見てごらん」「おー、四人の点が見えるぞ、すごい」

「イメージで、相手を敵、無害、味方と識別してみて」

「できる、できる」　

「防いでいると君は相手のパターンが解るようになる」

「ありがて～」

皆に向けて手を振り、騎士や熱中する四人を残し訓練場を後にする』

　カメラOFF