第33話 岸森くんに教えてもらった戦い方、その1 

「ボク1人でやるの?」


「教えたとおりにやれば、砕ける」


「もしも勝てなかったら」


「……」



 岸森くんは何も言わない。負けたらこっちが“粉砕”ってことか?


 仕事が終わると、岸森くんは稽古をつけてくれた。


 ボクが教わったのは、ヴァジュラを用いた、ごくごく初歩的な戦い方だ。




 岸森くんに教えてもらった戦い方、その1。 


 

 前回、かつて金沢亨だったヒビワレとの戦いでボクが使った、大気中に散らばる閃輝を集めて物質化し鋭く尖った弾丸に変えてぶつける。


 つまり、遠距離からの攻撃。


 閃輝尖鋭弾


 老婆めがけてボクは鋭く尖った弾丸に変えた閃輝を射つ。

 だが、照準が甘かった。


 老婆は弾丸を難なく避けて、ボクに飛びかかってきた。


 四足で飛び回る老婆の動きは素早くて目で追うのがやっとだ。


 虹色のネイルアートが施された爪は鋭く伸びており、硬質化している。


「痛ッ!」


 老婆の爪はボクの皮膚をなんなく切り裂く。


「早く倒せ。消毒しないと、傷口からヴァジュラが感染して意識を奪われる」


 うるせーな。わかってるよ!


 直接言えないので、ボクは心の中で岸森くんに文句を叫んだ。


 不気味なうめき声を出しながら老婆が間合いを詰めてくる。


 距離が近すぎる。尖鋭弾を撃とうとすれば、その隙にやられる。


 だがこれは想定内だ。ボクはもう一つの武器を右手に隠していた。



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