「歯磨き粉」におそわれた!

歯磨き粉を出した。

ちょっと力を押しただけ。

ひたすらに出てきた。

もはやチューブに入っている以上の量の歯磨き粉が。

連なって出てきた。

ぼくをぐるぐる巻にし始めた。

ぼくはやわらかな歯磨き粉につつまれた。

歯磨き粉はひたすらに歯を撫でてくる

そこまで苦しくはない。

くすぐったかった。

全身が歯磨き粉で洗浄されていく。

目にも歯磨き粉が入り込んで来ているため、詳しくは見えていない。

突然ドアが開いた音がした。

大量の水が入り込んで来た。

「キャーッ!!!」

水によって左目だけ洗われた。

「なんだなんだ?」

見てみると、全世界の浴槽の水がぼくの家に集まってくるではないか!!

気がつけば家が傾き始めた。ぼくはようやく理解した。

ぼくはいまから、ドラム式洗濯機の中だ…!?

本当に嫌になる。歯を磨けさえすればいいのに。

ぼくはすぐさま家ごと洗われる羽目になった。

水は地中を流れ、各々の家に帰っていった。

おしゃれな服を着て今日も一日いい天気!

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