#344 吠えるひまわり
「……何これ」
と、俺の家に遊びにきた三枝は言った。
三枝の視線の先にあるのは、一輪のひまわり。
「何って、ひまわりだけど」
「それは見ればわかる。いや、ギリひまわりだってわかる。けど、これは俺の知っているひまわりじゃない」
そうは言うが、三枝が指差してるそれを“ひまわり”以外になんと言えばいいのか。丸い顔、それを囲う黄色の花びら。伸びる緑の葉と茎。
「どこからどう見ても“ひまわり”だ」
「どこから!? どう見ても!? これの! どこか!? 茎が手足のように見えるこれを!? なんかタネが落ちて口のように見えるこれのどこが!?」
「なんだ。おまえ“吠えるひまわり”知らないのか?」
「え? 何それ知らない」
「結構いいぞ。朝起きたい時刻をセットして、その時間になったら吠えてくれるんだ。起きようとしなかったら、噛みついてくる。なかなかにスリリングだ」
「……もしかして、お前の右耳の怪我って」
「ああ。昨日起きれなくて、ガブっと行かれた。枕が真っ赤に染まったよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます