#317 小さな世界一周の夢

 世界一周をやってみたくはないだろうか。僕は子供の頃から“世界一周”という言葉に夢を抱いていた。世界、という僕が住んでいる日本以外の国を回って、広くて大きい地球を一周する。そんな夢のような冒険があるのかと、幼い僕は言葉を聞いただけで目を輝かせていたものだ。

 とはいえ、大人になって“世界一周”がどれほど大変で、困難なものなのかを知った。子供の時には見えていなかったものが、大人になって見えてしまったのが原因。悲しくもあったが、それでも心のどこかで“世界一周”の単語に未だ惹かれていた。

 そんな時だ。僕は頭の中で世界一周をすることにした。そのための道具、船は現実で作ろうと思って、僕はあるものを購入した。

 ボトルシップ。

 ウィスキーのボトルなどを使って、そのボトルの中に船の模型を組み立てる。瓶の中という小さな世界ではあるけれど、頭の中ではどこまでも続く海を想像出来る。

 気づけば、僕は10個以上のボトルシップを作っていた。

 この小さな船で、僕は今日も大航海を始める。

 今日はどの船で、どんな世界一周をしようかな。

 小さくて、形は違うけれど、僕の小さな世界一周の夢は、今叶っている。

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