#71 秘伝のスープの素

「うん? このラーメン、スープがめっちゃうまい……店主、前のスープから変えた?」

「お、気づいたかい? そうなんだよ。試しに変えてみたらよ、これがうまくハマってくれたのよ。いやー、助かった助かった。ここ最近、客足が足りなくなってたからよ」

「確かに全盛期よりは客減ったな。けど、このスープならまた戻ってくるって。うん、めっちゃうまいもん」

「ハハハ、ありがとよ。お前さんがそう言ってくれるなら、もう一度繁盛させてみせるさ」

「うん。にしても、これは……何ベースだ? 海鮮系じゃないよな……動物の骨? うーん、わかんねえ」

「そう簡単にはわかねえよ。うちの秘伝なんだからよ」

「うわー、秘密って暴きたくなるよね」

「なら今のうちに釘刺しとかないといけないな。秘密ってのは、暴かないほうがいいもんだ。暴いちまったら……それ相応の結末があるからな」

「いや店主、ちょっと怖いよ」

「それほど今回のスープにゃ本気なんだよ。そう簡単に暴かれてたまるか」

「おー、目がマジだ……こりゃこのラーメンを楽しませてもらう方がいいな。触らぬ神に祟りなし」

「懸命な判断だ」

「(うーん、しかし本当にこれなんだ? マジでうまい。この店主のラーメンは今までも美味かったけど、今回は別格すぎる……。なんだ? 超気になる。うーん……………………………………)」

「……さて、寝ちまったか。んじゃま、次の仕込みを始めますかね」

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