『大陸間弾道ジェットコースター』
やましん(テンパー)
『大陸間弾道ジェットコースター』
『これは、フィクションです。この世界とは、一切、無関係です。』
🌍️
アナ
『地球のみなさん、また、月と火星でご覧のみなさん。ロサンゼルスからです。今日は、ついに、新しい、ジェットコースターの開通式です。人類は、この500年、ひたすら、ジェットコースターの開発に邁進しました、そうして。今日、二本の巨大なコースターが開通します。東京から、ロサンゼルス。さらに、ニューヨークから、ロンドンです。すでに、パリ~ロンドン。東京~プサン、シドニー~オークランドは、完成済みで、来年には、オーストラリアとアジア大陸がつながる予定です。各大陸内にも、たくさんのコースが出来ております。世界は、まさしく、ジェットコースターにより、ひとつに、つながります。解説の、曽麦十始、世界ジェットコースター大学アジア校教授にお伺いしながら、始発の二元中継をいたしております。教授、よろしく、お願いいたします。』
曽麦十教授
『ども。』
アナ
『ついに、きました。』
教授
『ですね。人類、500年以上の夢ですから。めでたいですね。』
アナ
『そもそも、なぜ、ジェットコースターなのか、ですが。』
教授
『そうですね、これは、世界の救済者と呼ばれた、ナナナナマナマ地球平和委員会総裁の提案によります。当時、地球は、バニラ連盟と、地球連合の睨みあいが続き、ついに、核戦争の1時間前まで行きました。バニラ共和国の、ラニバ大統領が、友好国以外すべてに核兵器攻撃をすると最後通牒したのですが、ナナナナマナマ総裁が、双方に直談判し、委員会が連合を説得した結果で、世界をジェットコースターで結ぶ事業を世界的に始めるならば、そのかわり、全世界の大陸間弾道ミサイルを全廃する、また、それが実現したら、核兵器を全廃すると、大統領が約束し、結果、わずか50分で、最終的には、両者が、長い長い期間を要する、この事業の約束を、したのです。そうして、それ以来、長い平和が来たのです。』
アナ
『はあ。わかったような、まるで、分からないような。』
教授
『そんなことに、大金を投じたら、軍備には手が回らないと、ラニバ大統領はじめ、みなが判断し、安心したのです。』
アナ
『はあ………いやあ。政治は、複雑ですな。』
教授
『そうです。安心が第一ですが、まあ、政治と、ジェットコースターは、しろとには、なかなか、分からないような、不可思議な世界なのです。だから、職業政治家や、職業ジェットコースターニスト、が必要なのです。また、ラニバ大統領は、ジェットコースターが、実は、大好きだったとも伝わります。』
アナ
『我々が、いまあるのは、そのおかげなわけですね。大陸間弾道ジェットコースターと呼ばれるのも、そのためですか。』
教授
『そうです。複雑な落ち方をする、弾道ミサイルが、かつては、ありまして、そのバージョンを、もじったのです。』
アナ
『はい。さて、ロンドンでは、最初の乗客が乗り込み始めます。この、システムには、沢山の絶叫ポイントがあるとか。』
教授
『なにせ、長いですからなあ。もう、やり放題ですよ。しかも、コンピューターによりまして、自動的にコースが変化します。ただし、気分が悪くなったような人は、途中下車が可能で、また、嵐に遭遇する場合などもあり、病気のあるかたや、ジェットコースター苦手のかたとか、色々あるわけで、これらに対処する安全な技術の開発、また、新しい人間科学の開発などに、300年は、かかりました。つまり、ジェットコースターを楽しみ、また、ひたすら、憎しみや苦労や、忠誠心を求めるばかり、ではなく、さらに、権力やお金とは離れた、真の意味の楽しさ、平和、優しさ、寛容さ、お互いを受け入れ合う精神、などを求める、宇宙時代にも相応しい、新しい、地球人類のあり方、生き方、とかですな。それを、開発したのです。』
アナ
『はあ、理屈にすると、難しいですね。あ、途中下車は、実際、どうするのですか?』
教授
『結局、単純なことで、戦闘機からの脱出と、同じになりました。はい。飛び出すのです。』
アナ
『それに、300年?』
教授
『はい。助けに行くのが大変ですからな。複雑な、良い仕掛けが必要になります。』
アナ
『なるほど。あ、さあ、大西洋と、太平洋を横断する、大陸間弾道ジェットコースター1号が、同時に出発します。我々は、全コースを、中継いたします。東京の、杖出さん。』
杖出さん
『はい。東京湾ステーションです。東京は、ここ500年で、沿岸部が15キロほど、内陸に入りまして、様変わりになりました。富士山も、噴火で形がかなり変わりました。ロサンゼルスも、同様です。計画が始まった当時とは、随分と変化したわけです。こちらには、ラニバ大統領の子孫のかたにおいでいただきました。ハロー。』
子孫のかた
『はあい。こにちは。良いお天気ですね。』
杖出さん
『いよいよですね。ご感想は?』
子孫のかた
『みんなで、あのときに、地球を壊さなくて良かったね。』
杖出さん
『まったくです。じつは、わたしの先祖は、当時、総理大臣をやってまして、感無量です。ロンドンのヘレナさあん。』
ヘレナさん
『はい。ロンドンです。こちらも、お天気最高。あたくしの先祖も、むかし、女王さまやてましたあ。そんな方ばかりですね。』
アナ
『ぼくは、違いますよ。教授は?』
教授
『うちは、何してたんだか、分からないよ。ははははは。いや、まったく、良い世の中に、なりましたなあ。』
🎢
……来年のお正月
やましん
『むむ。微妙な、初夢だったなあ。びーちゃんは、仕事。ぼくは、訳わからないような病気がちで、寝てるだけ。なんだか、20年前に予想した通りの、だめな未来になったなあ。』
ニュース速報アナ
『途中ですが、ニュースです。いま入った情報によりますと、バニラ共和国から、核兵器とみられるものが………』
おしまい
『大陸間弾道ジェットコースター』 やましん(テンパー) @yamashin-2
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