第5話 小っぽけな争い


ナスが指を鳴らしてからかれこれ─────と言う程も経ってはいないんだけれども、いつになったら戦いを始めるんだ?こいつら、正直戦う理由も大したものじゃないだろうし。


「お前ら、戦うのはいいがなぁ、何かルールとか付けないのか?」

ただ見るのも詰まらないから何か見てて盛り上がる用な仕様にならないかなー、あっそうだお菓子買ってこよ。


「そ・う・だ・な?俺たちが戦うんならま、あれしかないだろ」


「確かに、僕もあれしか・・・すーっ、思いつかないですかねぇ」

今絶対他に思いついてたろオイ、あってめ最近やたら通販サイト開いてたな、絶対買わないからな?。



「魔王よ」

武蔵がかなり深刻な顔で話を降ってきた。


「んぇ?」


「俺たちの名前と言うかあだ名?、何て名前だ?言ってみろよ」

こいつは一体何を言っているんだ、私が考えてあげた最高の名前を忘れたのか?


「武蔵とナスだろ?」

完璧だ・・・正直これ以上の名前を思いつく事は無いだろう。


「ちなみに、その名前について魔王はどう思う?」

何だぁこいつ、そんなに言って欲しいのかーー恥ずかしいなぁもう。


「完璧だ!、とてもカッコ良く、とても愛嬌のある、その名前はハッキリ言って最高だと思っている」

もーーっ、恥ずかしいこと言わせるなーー全く、そんなに言って・・・だったら今戦う必要無くないか?。



「魔王よ、ハッキリと言うぞ・・・」

また、武蔵がかなり深刻な顔で話を降ってきた。


「何だ?」

分からない、何がここまでこいつを動かしているのかな?


「お前、名前のセンス本当にゴミだから、この戦いで勝ったらせめてことあだ名の変更権を求める」

ナスがやたらと首を縦にを降っていたのでお腹に一発お見舞いした、私ってそんなにネーミングセンスないの?───ないの?───ないの?。


「そっそれじゃ、名前変えるためだけに戦うのか?、勝手に変えればいいじゃ・・・・」


「魔王様がいつも「我の付けた名前の方がいいな!」とか言って意見を通してくれなかったじゃないですか」

ナスは必死だった、ナスの顔は今まで沢山の努力を積み上げ多くの挫折を乗り越えて来た、そんな顔をしてた。



「そんなにも思い詰めていたのか・・・すまない・・・我の落ち度だ───」


「そうですよぉ?全くぅ、魔王様がそんなんだから仕事も捗らなくてぇ」


「だったら今まで仕事何をしてきた」

こいつ・・・ここぞとばかりに調子を上げて来て、正直腹が立つ。


「そぉんな事より、武蔵よ早く戦いをしましょう!」

話を変えたと言うことは、毎日そんな無駄なことだけ考えてたから仕事してなかったのかよ。


「そうだなー、魔王ー俺も早く戦いたいぞー」

少し飽きてきた武蔵が眠そうにしている。


「んぁあ そうだな、名前を変えるのは別にいいだろう・・・だけどそんな事でいいのか?」


「「そんな事?」」


「他に何か叶えて欲しいことあるんじゃないか?できる事だったら手を貸すぞ?」

正直ここまでヤケになる予定では無かったのだが─────────許せない、私の考えたあの名前をナンセンス扱いをするのは。


「物とかでも全然いいぞ?欲しいと言っていたゲームも買ってやらんではな───」


「「いえ、結構ですこのままで!」」

どうやら、覚悟の上らしい。

きっとこいつらに何を言ってももう、変えることは無いのだろう。



「そうか、もう何を言っても遅いからな?」


「「はい!」」

絶対こいつら仲良いよ、さっきからセリフ全くもって同じだもん、もう戦わなくていいじゃん、このまま2人で何処かに遊びに行けよ。


「ならば、もう戦えよ我早く帰りたい、お腹空いた、こんなのだったら多分バイト行けたもん」


「そうですね、流石にそろそろ戦いましょうか」


「ふぁーーぅっ、んへぇ?んあっそうだねぇー」

眠くてキャラが壊れてきてる武蔵を何とかして目を覚させ、戦いの準備をした。


────────────────────────────

ここからは、セリフの最初に名前(あだ名)を付けます、作者にはセリフだけでキャラを立たせることはできませんでした。

────────────────────────────


ノス「よし、今から我が手を叩くから音が鳴ったら始めるのだそ」


ナス「わかりましたが、魔王様?距離が離れすぎでは?」


武蔵「そうだぜ?、どうせダメージ無いだろ?こんなんじゃ」


距離を取ったのはこの後の為なので黙っておこう。


ノス「ではっ、開始!」パァンッ─────

待てっ、ナスの戦っている所見たこと無いけど実際どうなんだ?今まで何故かどんなに言っても戦ってくれなかったし・・・私ナスがどんなスキルを持っているかよく知らな──────


ナス「『複製』&『転移』同時発動」

そう言うとナスの体は数十に別れそれぞれが武蔵をドーム状に囲うように瞬間移動した。


武蔵「うわっ、キモッ何だそれ」

武蔵がそう喋ると同時に複数のナスが武蔵に近づく。


ナス「はい、『自爆』発動」

ん・・・『自爆』?何故?何故に自爆したんだよ?絵面が酷いよ、流石に萎えちゃうよ。


ナス「必要な犠牲でした」

流石元参謀様、戦い方が色んな意味で強い、まさか相手のメンタルにまでダメージを与えるとは、トラウマになりました脱帽です。


武蔵「バーカ、こんな攻撃聞くかよ」

そう言う武蔵は手を合わせて魔力を貯める。


ナス「そう言えばぁ僕、邪神の攻撃って見るの初めてかもしれないですね」

そんな事を言いながらもナスが守りの為に準備をしている?、えっ武蔵の攻撃ってそんなに強いの?


武蔵「これ喰らってみるか?『Keter(王冠)』」

その魔法を唱えると辺りは宝石で埋め尽くされた。でも、なんだろう?この宝石、脈打っている?


ナス「『領域』&『覚醒』&『結界』同時発動+『感知』並行発動」

ナスが『無敵』を使用していない?なぜだ?『無敵』があるなら基本ダメージは無いはずなのだが、それに『感知』?。


武蔵「わかってんじゃんか、おら喰らえ!」

そう武蔵が言うと、地面の宝石がまるでスライムのように動き出しナスに攻撃を始める、宝石スライムが刃を出したり沢山の手を出し握り潰そうとする図は壮大ではあるが、正直キモイので早くやめて欲しい、あと目に悪い。


ナス「『転移』発動&『作成』+『大剣』+『爆裂』同時発動」

ナスが武蔵の上に転移すると同時にナスは、沢山の剣を召喚し武蔵に飛ばした。


武蔵「剣?、違うこれは!!」


ナス「よし、『爆裂』起動」

また『爆発』系か、何でこんな攻撃方法何だ?余りにも無駄な気がするが。


武蔵「クソッ、さっきから目くらましばかりで何なんだ!追え『keter(王冠)』」

武蔵が腹を立ててる、そりゃそうか、こんなにさっきからチクチクやられるばかりなのはウザいな。


ナス「『複製』&『 転移』同時発動」

これは酷い、何故ここまで頭が痛くなるのだろうか、さっきのあれがトラウマだからかな。


武蔵「うわっ止めて」

そう言うが、またしても増えたナスがドーム状になるよう武蔵周りに転移し近ずいて行く、うわって言ってやんなよ。


ナス「ほい、『自爆』発動★」

嫌だ、何故これを見なきゃ行けないんだ、悪夢と言うしかない、ナスには今すぐに負けて欲しい、こんなのに勝って欲しくない。

と言うか何故ナスは『爆発』しか使わないんだ?・・・あーーなるほど、そう言えばこの子魔法知らないから・・・攻撃手段これしかないのか?、それとも手加減なのか?


やたらと精神攻撃を仕掛けるナス、邪神としての力を使い攻撃する武蔵、見てるだけなのに1番ダメージ(精神)を食らった私、正直こいつらが戦う所を見れたのは凄く嬉しいが、それ以上にもう戦うのやめて欲しい。


ノス「まぁ、戦いが沼ってきたらすぐ止める予定なんだけどね」

そう言いながら私は魔法の準備をした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

魔王ですか? 最近辞めちゃいました 石川さん @ISIKAWASAN

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ