第41話 一難去ってまた一難?

例の見学日から数日。

愛花は優等生モードとオタクモード(?)の切り替えをしているが、本人曰く困ってないとのことなのでなんとかなっているし、クラスの皆とももっと馴染めてきている気がする。

今までよりも視線が増えた気がするけど何故だろう…?

まぁそんなことはともかく、今日は久しぶりに愛花と遊ぼうと思っていたので、約束をしにいく。


「愛花?今日はなにか予定ある?」

「ないけど、どうしたの?」

「今日は久々に完全な休みを貰って、浜田さんからは『愛花ちゃんとでも過ごしてきなさい!』って言われてね」

「なんか浜田さんなら言いそうだね…」

「とまぁそんな感じで今日は本当に休みになってやることがないし愛花と一緒にいれたら…と」


正直なところ急に誘ってるわけだから断られる可能性もあるんだが…。


「遂に栄太君の家に!?」

「いやまだ遊ぶ場所決めてないからね?まぁ別に問題ないとは思うけど…」


そういえば今まで家で遊んだことなかったか。あと愛花に見せれないものがないかだけは確認しないといけない。


「だけどもしかしたら愛花に見せれないもの…台本とかあるといけないから少し玄関で待ってもらうかもだけどいい?」


「全然大丈夫!あ、なにか遊べるものはある?トランプとか!」

「あー基本1人だったから無いかな…」


そっかこういうこともあるから用意しておけばよかった…。すると、


「じゃあ1回家に帰ってトランプとか遊べるもの持ってくるよ!」


なんか凄い目がキラキラしてる…!

凄い楽しみなんだろうなぁ、とも思いつつ、いざハッとして周りを見渡すこと数秒。

周りからニヤッとした顔で見られてるのに気づいた。みんなから「俺(私)たちのことは気にせず話してもらって…」という妬ましいような羨ましいような感じがしてきて、おそらく同じことを察したであろう愛花と共に一足先に教室から出た。


「じゃあまた後で、」

「また後でね!」


そうやって別れて5分、愛花には家を教え、台本など見られてはいけないものを確認してまとめたとき、スマホに電話がかかって来た。


『今日あなたの家に久々にお邪魔してもいい?彼女さんもどんな感じか聞きたいし』


俺はこれを見て2秒ほど固まりながらその遅くなった思考を巡らせる。

普通に考えてテレビで彼女がいることは公表しているので2人きりになりたかったら断ればいいのだが、俺の母さんの場合それを聞いたら尚更来たいと言い出してきそうなのに加え、仮に仕事あるなどの断り方をしてしまうと浜田さんに即刻連絡が行ってしまう。

そう考えていると、


『どっちなの?向かうわよ?』

『いやいやちょっと待って今片付けてるから』

『ならいいんだけど…』


最終的に諦めた俺は、時間を稼ぎ、その時間で愛花に許可はもらえたので母さんに家に来てもらうことにした。


『あと母さん?俺の彼女来てるけど変なこと吹き込んだりこまらせるなよ?』

『流石にそんなことしないわよ、むしろお話してみたかったから良かったわ』


これで俺に仕事というものがなかったら多分驚かれるを超えて後に来るであろう質問攻めが2倍になっていたことだろうなと思ったが、1つ気になった。


『というかなんでこっちにいるんだよ!』

『いやたまたま栄太の家に行けるくらいの所に用事があったのよ、だからついで感覚よ』

『何してるのか分からんがこっちにいる理由は分かった、それじゃあまた後で』

『それなら良かったわ、また後でね、』


そう言って電話を切った。すると、

玄関からインターホンの音がなり、俺がドアを開けると、


「もう入っても大丈夫そうな感じかな?」


愛花がおり、俺は心の中で母さんじゃなくて良かったと思いつつ、招き入れる。

そしていざ俺も中に入ろうとしたとき、後ろからうっすら「あら栄太、久しぶりねぇ」という声が聞こえてきて、バッと振り返ると案の定母さんがいた。


「あぁ久しぶり、母さん」

「そんなに怖いもの見る感じで振り向かなくてもいいのにー、まぁ玄関を見た感じ結構きれいにしてそうだし大丈夫そうね。あ、もしかして彼女ちゃんにやってもらってる?」

「いやいやしてもらってない!まず家で遊ぶの今日初めてだし久々にあって最初にすることじゃないだろ」

「いやー心配だし寂しいでしょ?息子が1人暮らしなんて」

「いやまぁそうだけど」


まだ玄関と言ってもドアを開けただけでこんなに会話が起きるんだ。

それはもう凄まじい量の質問が待っているだろう…。

ああ、終わったな。

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有名俳優が学校で陰キャとして過ごしていたら学校一の美少女に話しかけられるようになった。 ふぃおらる @Fioraru

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