第37話 さぁ!バラエティ番組収録見学!②

浜田さん運転の車に乗ってから15分後くらい。今回の撮影現場に到着!


「じゃあ愛花、俺はこっちで準備があるから」

「愛花ちゃんは私と一緒に先に現場まで行きましょうか、」

「あ、はい、わかりました」


そうして愛花と浜田さんたちは歩いて行ったのを見送った後、俺は楽屋で準備を始める。

準備が終わり、収録開始まで待つ時間になると、毎度のような気もする共演回数高めの遥乃が楽屋挨拶(という名の同年齢の雑談タイム)をしに来た。


「今日もよろしくお願いします、明さん」

「こちらこそよろしく、遥乃」

「ところでなんですが、今日明くんと君のマネージャーの方と一緒にいた女性は誰なんですか?」

「ああ、遥乃はあの時見てたのか?」

「うん、偶々」


そうしてあの子が俺の彼女であり、今日ここに来ることになった経緯を説明する。


「あの方が明くんの…」

「ああ、もし出会ったりしたらよろしくな」

「うん、分かった」


そんな会話をして遥乃は俺の楽屋を出ていく。何か悔しいような顔を一瞬だけしていたような気が…多分気のせいだろうけど…。


「上野明さん出番でーす!」

「あ、はい!分かりました!」


そんなこんなで収録が始まった。

今回はよくあるVTRを見て感想を言ったりするものであり、俺と遥乃は共演しているドラマの番宣するゲストの枠で呼ばれた。


「3、2、1、スタート!」


司会の人が進行を始めていくが、やはり分かっていた事ではあるが愛花の方を見てしまう、ヤバい気をつけないと…。


それでもしっかりと自分に話が振られたときは答えることはやり、番宣もしたので何とかなった。まぁその後遥乃以外の共演者全員から「お前のマネージャーと一緒にいる女の子誰だ!」って言われたけど。

まぁ愛花も生で俺がテレビの収録してるところを見れて満足ぽかったし良かった、


久々にオンエアが心配になってきた。


「おーい、明くん?あなたずっと彼女の方見てなかった?しかもカンペとか読むときに」

「うっ、バレてたのか」

「どれくらい一緒に共演してると思ってるの、流石にそれくらいは分かるよ」


あれ?今思ったけど舞台挨拶とかこないだのときとなんか全体的に呼び方とか違くね?


「遥乃?何か前と全体的に喋り方とか変わってない?さっきまで自然と聞いてたけど」

「うん、これが素だよ、と言っても変わるのは口調ぐらいだけどね」

「何かその喋り方が愛花と同じ感じな気がする」

「あいか?」

「ああさっき言ってなかった、俺の彼女の名前は愛花って言うんだ」

「そうなんですね」

「愛花の方はまだ浜田さんと話してるかな」

「まぁ収録中凄い目がキラキラしてたからね愛花ちゃん」

「まぁ俺のことになるとオタク化するからな、学校とかでも」

「学校でも…?あの感じ学校でも凄い人気そうなのにそんな風になって大丈夫なのですか?」

「とりあえず口調をどっちかに揃えてほしいかな、あと学校でも何故かギャップとして捉えられてるよ、他の女子にも明ファンはいるからな、それもあってそう捉えられてるんだよ」


遥乃とそんなことを話していると、


「明くん、おまたせー!収録見れてよかったよー!」

「お待たせと言っても俺が一回楽屋戻らなきゃだけどね」

「こんにちは、愛花ちゃん」

「あ、こんにち…え!?遥乃様!?」

「お前遥乃にまで様つけてんのかよ…」

「当たり前じゃん!」


この日は久々にオタク化した愛花を見れたな。遥乃が少し困惑してた気がするけど…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る