第19話 久々の学校、やっぱり来る嫌ーな視線

結局夏休みの宿題はめちゃくちゃピンチでした。言い訳させてください。

仕事と勉強両立は少々厳しいです。地頭はよくない方なので。


ちなみにちゃんと愛花に手伝ってもらいました。





朝、久々に学校へ行くために支度していると、ピンポンがなった。相手はもちろん、


「おはよう、栄太君」

「ああ、おはよう愛花」


なぜこうなったかというと、宿題を最後に手伝ってもらったとき、話の流れで決まったからです。愛花は明様と登校なんて最高だ!とか思ってそう。

ちなみに今はだいぶ落ち着いたようで、話すときには普通に顔を合わせられるようになった。


「そういえばまだ雅達に言ってないな」

「そういえば私もいろいろとありすぎて言ってないな」

「まぁ今はだいぶよさそうだしいいんじゃないか?」

「まさか推しが彼氏とは...」


何そのパワーワード。彼女がファンだもんな、そりゃそんなパワーワードもでるよな…。うん。


とか考えてるうちに気づいたら校門を通り過ぎており、周りからの視線が凄いことに気がついた。それは愛花も同じだったようで、顔を赤くして俺の手を引っ張っていく。


教室に入っていちばんに話しかけてきたのはもちろん雅と未海だ、


「おーい!栄太!中野さん!」

「あっ!栄太ー!愛花ちゃーん!」


あれ?こころなしか二人ともなんかニヤニヤしてるような気が…。


「お前らもついに付き合ったかー!俺たち恋人仲間だな!」

「ああ、そうなるな」


そしてそのあと誰に聞いても100%知ってるであろう始業式での基本校長先生話長すぎるのも終わり、教室に戻って話をしていると、


「早く席に座りなさい、一限が始まるわよ」


担任の先生である、名前は立川楓たちかわかえで先生がそう言ったため、背皆席に着いた。


「ところでみんなは夏休み満喫できたかな?だけど切り替えてかないとだめだよ?」

「「「はぁ~」」」


みんながため息をつく。だよな、俺だってもっと休みたい。学校行くより仕事の方が好きだからね。


「今日の一限はまず、委員会を決めるわよ」


「委員会はー学級委員、環境委員、図書委員、放送委員、保健委員、選挙管理委員ね!」


はぁ、来た。毎回恒例の誰も立候補者名乗り出なくて長引くやつ。

俺は何もやりたくないタイプのためもちろん立候補しない。


――10分後。


今のところの立候補はこんな感じになった。


「学級委員・男子 なし、女子 中野愛花」

「環境委員・女子 陽キャ、男子立候補者3人」

「図書委員・クラスの話したことないヤツ2人」

「放送委員・男子 知らん陽キャ、女子 なし 」


他の2つも知らん奴だけだった。学級委員はさすがだな、愛花は。


「学級委員の男子と放送委員の女子はいったん後回しにして、立候補者3人の環境委員から決めましょうか、」


黒板を見るに立候補者はクラスでのイメージは陽キャよりの陰キャみたいな感じの

布目凛空斗ぬのめりくと浜崎琉佳はまさきるか、あと…。わからん、とりあえず陽キャのヤツ。


このクラスの委員会決めはスピーチ式で、人望によってすべてが決まるあんまり好きじゃないやつだ。最初の陽キャはロクなこと言ってなかったが、布目は...


「えっと僕は、前期もやってたのでまたやりたいので立候補しました、ええと、よろしくお願いします...!」


やばい、言ってることスゲェちゃんとしてるのに声ちっちゃくて全然聞こえてないっぽい。お、次は浜崎だ。


「僕はこの委員会が楽しそうで興味を持ったので立候補しました、よろしくお願いします!」


おぉ!声ちゃんとしてる!けど、ちゃんとしてるんだけど、布目とくらべて理由が少し悪い…。あれ?これどっちもどっちじゃね?




――投票後。


開票した結果、あの陽キャに決まった。やはり人望の壁には勝てなかったか…。


「じゃあ次は男子の学級委員!誰かいる―?」


先生がそう言った瞬間、すごい視線がくる。視線が来る方を見ると愛花が目ですごい圧をかけてくるではないか!彼女からの圧ほど強いもんはねぇ...。だが俺は耐える!


男子のみで話し合ったが決まらなかった。みんな共通して言うのは、


「中野さんはかわいいけどやっぱり仕事めんどくさい。」


だろーね、というか俺仕事ある可能性あるけど学級委員なって大丈夫か?

すると、先生がとんでもないことを言い出した。


「出てこないならすでに決まってる中野さんに決めてもらいましょうか」

「はぁっ!?」


ヤバい思わず声出ちゃった!というかそれよりすんごい嫌な予感が…。


「じゃあ栄太君がいいです」

「そういうことなので栄太君、お願いしますね?」


あ、これ拒否権ないんすね。

そして愛花が選んだのに対して雅達はやっぱりとなっているが、クラスの他の男子からは久々の嫌ーな視線が飛んできた。


「じゃあまだ決まってない放送委員の女子決めようか、男子の時みたいにどこかあつまって話し合ってねー」


こううなったとき、残った片方の奴らはしゃべることのできる雑談タイムとなる。

そして俺はたまたま席が近い浜崎としゃべっていた。


「早川君、呼び捨てで呼んでもいい?」

「ああ、かまわないぞ」

「じゃあ栄太、栄太ってこの人知ってる?」

「あー、最近話題のアニメの曲のMVでバイクにはねられる人か、」


今度そのひとが作った曲が主題歌のドラマに出るんだよなぁ、まだ未公開の情報だけど。


「そう、この人の曲好きなんだよね、栄太は聞く?」

「俺はあんまり聞かないな、あの曲みたいにめちゃくちゃ話題になってたりしたらみるけどさ」

「そっかー、残念だなぁ」


そんな話をしていると女子も決まっていた。

俺は話したこともない陽キャによって陰キャの女子が選ばれていた。

俺は何もできないけど可哀想だな、あの子。クラスに1人はいるヤなヤツだ、あの陽キャは。

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