第10話 たまにくる何もない日?
「もうすぐ夏休みだぞ、夏休みだからって気を抜かないように!」
あの電話から1週間後。何とか中野さんの家に行った時のことはごまかすことに成功しており、明後日にはみんな大好き夏休みが始まろうとしている。
そんなことに期待と仕事へのやる気を出していると、
「夏休み海に行かない?」
「いいな!海俺も行きたい!」
未海と雅が会話しているすると急にこっちを向いて、
「なぁ栄太?お前も行くよな?」
「ま、まぁ日にちにもよるけど...多分大丈夫だ」
「流石我が友よ!」
「口調変える意味あったか?」
ということで海に行くことに。最近行けてないし仕事なければ行こうかな?
そんな話をしつつそろそろ帰ろうという時、
「あの...」
「あれ?愛花ちゃんどうしたの?」
「話聞こえちゃってたんだけど、海に行くのなら私も一緒に言ってもいいかな?」
「愛花ちゃんなら全然いいよー!ね!」
「もちろんだ」
「そうだな」
「というかなんで急にまた?別に接点がないわけじゃないけどよ、中野さんなら誘われてたりしてそうじゃないか?」
「クラスの子にも誘われてはいるんだけど、人数が多そうでね…人がたくさんいるのはちょっと苦手なんだよね」
「そういうことだったのか、すまん」
「いやいや全然大丈夫!」
いくらクラスで一番美少女だからといって意外な一面はやっぱあるんだなぁ。
「日にちはどうしようか?」
「7月30日はどうだ?」
あー俺無理だなー。多分ここからそう変わんねぇだろうなぁ。
「ごめん雅その日俺予定あるわ」
「栄太無理なのか、仕方ないかぁ」
「栄太めずらしー」
「俺だって用事くらいあるわ!」
すると女子2人。なんか悲しそうな顔をしている。
なんとなく聞いてみることに。
「未海と中野さん?なんかめっちゃ悲しそうな顔してない?」
「だって明様の舞台挨拶のチケット買えなかったんだもん」
「私も買えなかった...」
そういや未海もファンだって言ってたな?んで変えなくて悲しんでると。ちょうど舞台挨拶の日を今だしちゃったから。
「あー、お前らが好きなあれか、高校生俳優なんだっけ?」
「おい雅やめとけこいつらの話とまらんくなるぞ」
「なんてこと言うの!私たちは明様を布教しているだけなのに!」
本人からするとめちゃくちゃ怖いんだけど、ねぇ、わかるかな?俺はは改めて正体がばれたらヤバいことになるなと感じた。
「雅は好きじゃないんだ?」
「好きなわけないだろ?女優とかアイドルだったらまだわかるけどな」
なんか今遠回しに悪口聞こえた気がする、気のせいか。
「雅ってこの映画知ってる?」
「ああ、未海にすごい言われたからな、明様が出る出るって」
「よく耐えれるなぁ」
「慣れだよ、慣れ」
慣れで何とかなるんだ、じゃあ頑張るか。
「というか知ってるなら話がはやい、じつは俺の知り合いからさっきの舞台挨拶のチケットもらったんだよね...」
「早川君それホント!?」
「栄太、マジ!?」
「よかったらだけど...いる?あ、3枚あるから雅も欲しいならあげるよ」
「一応もらっとくわ」
「「もらいます!ありがとうございます!」」
「敬語になってるんだけど...推しって怖い」
「栄太はいいのー?」
未海が問いかけてくるが、俺本人ですしね。
「あげたのはチケットが余ってたのもあるけど、さっきも言った通り、その日運悪く用事があって、行けないからさ」
「残念ー沼に引きずりこむチャンスだったのにー」
「やめてくださいねー?未海さん?」
予想はしていたものの、とりあえず二人は来てくれるからな、いつもより気合いれてやろうかな!
ちなみにこの後海に行く日は8月の最初の日曜日となったが、チケットを貰った未海と中野さんが話し中終始興奮していたのは言うまでもない。
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