赤井は優沢へのセクハラ行為を反省することとした
狐照
赤井は優沢へのセクハラ行為を反省することとした
「なあ優沢」
「なんだ赤井」
真面目に復習している優沢の眼鏡のツルを指先で撫でる。
掛けてても掛けてなくても好きだが、優沢の眼鏡その物が好き。
「いつもセクハラして怒ってる?」
「怒ってる」
「…ごめん」
「謝るくらいならセクハラしないでくれ」
正論過ぎて、机に突っ伏してしまう。
「ごめん…」
謝る事しか出来ない俺を無視して、復習に余念の無い優沢が無言でペンを走らせている音が聞こえる。
「…もう、さ」
「…」
「しないから」
「…」
「ごめん優沢」
顔を上げても優沢は勉強していた。
これ以上は何を言っても聞いてもらえない。
そう、理解して、俺は自習室を後にした。
明日から優沢の傍に居ないようにしないと。
傍に居たら触ってしまうから。
辞めろって言われて、なんですぐに辞めなかったんだろう。
俺の馬鹿野郎。
今日も我慢出来た偉い俺。
廊下の先に居るのを見つけ、自然と抱き締めに行きかけ留まれた俺、すごく偉い。
一週間も優沢我慢出来て、立派過ぎる。
ちょっと露骨に避けすぎているかもしれないが、これくらいしない駄目なのだ。
「はぁ」
でも寂しい。
優沢不足。
手ぐらい握ってもいいだろうか?
いや握ったらハグしたくなるから駄目。
キスしたくなる。
色々弄っちゃう。
匂い嗅ぎたい。
抱き締めたい。
「はぁ…」
「赤井」
「ぁーん?なにー?」
「今日暇?遊び行かね?」
「あー…今日…今日…」
今日は約束がある。
でも。
「いいよ、遊ぼ」
気分じゃなさすぎるので先約の断る事にした。
今日会えないごめん、とメッセージを送る。
「やた!絶対ドタキャンすんなよなっ」
「はいはい」
返事は無い。
まぁ無い。
いつも無いし。
「…はぁ…」
今誰と遊んだって何一つ楽しめない。
だから適当にしてても良い相手の方が楽だ。
溜息しは吐いてないし。
だから先約を断れた。
悪いなぁとは思うけど。
ちょっと、ね。
今はね。
すっごくつまんなかった。
時間の無駄っていうのを実地で学べた、と言う事にしておこう。
あからさまに俺狙いの奴がちらほら居て、名前も知らないのにどう思うとか遠回しに聞かれても、ね。
「ぁーぁ…はぁ…」
また溜息を吐いてしまう。
つまらない。
つまんない。
何もする気が無い。
勉強するかぁ。
そうな、勉強するかぁ。
それで気を紛らわそう。
そうしよう。
「え」
「遅かったな」
「あ、う、ん」
誰も居ないと思っていた家に、今日の先約の相手が居た。
居ると思ってなかった。
この時間は明日の予習を絶対したいマンだから部屋に居ると思っていた。
お隣さんで幼馴染で、でも今は。
「…」
「…」
え、これ、何?
あ、え。
もしかして。
「わかればなし…?」
「…え…」
めちゃくちゃ驚いた顔をされてしまった。
違うのだろうか。
だって真面目な顔しているから。
「わ、かれ…たいのか…?」
お互いの家の鍵を持っているから、行き来は自由だ。
俺は勉強を邪魔するの怒られるようになったから、最近行ってない。
いつも俺の家、俺の部屋。
今も俺の部屋に部屋着の畑が居る。
いつもの光景。
だけど逢いたくなかった居ないで欲しかった。
「…その方がいいのかもって、思うんだけど、どう?」
「どう、って…なんで…」
とりあえず制服から着替えないと。
ブレザー掛けて、ズボン掛けて。
「どわっ」
着替えていたら背後からタックルされ、俺はベッドに倒れ込んでしまう。
「びっくりした…畑寝技目覚めたのか?」
「嫌だ」
「…背中に話し掛けないでくれ俺の顔はこっち、なんですけど力つよ」
うつ伏せにベッドに押し倒され、背中に全身圧し掛かられ、ちょっと形勢フリ。
俺の方が体格良いけど、これは、頭脳で負けてる。
後パンツ一枚の俺に引っ付かないで欲しい。
「にわ…」
「なに?」
「わかれたくない。いやだ。セクハラしてもいいから、何をされてもいいから…別れたくないんだ…」
涙声、だった。
言葉と一緒になって俺に突き刺さる。
「別れたく無い俺だって!ただ!畑に迷惑掛けたくないから!傍に居たらつねにキスしたいし!だから!」
力任せに畑の拘束をとき、強引に抱き締める。
眼鏡吹っ飛んだ、知らん。
「はずかしいだけでおこってない…そばいてくれ…なんできょぅ、やくそくしてたのに…ひさしぶりにあって…はなしたいこといっぱいあったのに…」
涙が胸にを濡らす。
俺ももらい泣きしてしまう。
「加減する加減するから、居る、学校で触るけどハグで我慢する、から…ごめん…この間からごめん…」
そこからお互いぐすぐす泣きながら謝り合って求め合った。
元から今日はお互いの親が居ない日だったから、そりゃあもう好き放題。
風呂でもべちゃべちゃになって。
俺は優沢畑不足を、解消できた。
眼鏡のフレーム越しの畑。
好きだなあ。
なんでだろ。
眼鏡好きじゃない。
畑の眼鏡だから好きなのだ。
ついついツルにキスしてしまう。
「眼鏡と結婚したらどうだ」
「俺はもう結婚済みじゃん」
「え」
めっちゃ、めっちゃ悲しいって顔で俺を畑が見る。
「え、わすれてる…子供の頃結婚式挙げたの…わすれてる?」
指輪の交換しなかったからだろうか。
今度用意した方が良さそうだ。
うん、用意しよ。
「あ、あれ、は、こどものやくそくで」
俺の膝の上で畑が顔を真っ赤にプルプル震え出す。
「俺は本気だった」
「それは俺も…だ…けど」
「けど?」
逃がさないようにぎゅうって抱き締める。
教室ですけど全然気にならない。
チラ見されるがなんとも思わん。
付き合ってる事は、誰もが知ってる事だし。
「ちゃ、んと、したのがしたい…」
「うん、しよう」
「約束、だ」
「約束」
惜しむらくは畑のこういう可愛いとこ大放出になってるのが、ね。
ちょっと嫌。
それが伝わったっぽくて「ばか、お前のだ」畑が擦り寄ってくれた。
「…」
「…」
「…げんどがあるこれをおこっている」
「…ご、ご、めんー」
赤井は優沢へのセクハラ行為を反省することとした 狐照 @foxteria
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。