【連載版】ラリュトは魔笛を吹いた
狐照
第1話
「ラリュト、お前、どーすんだ…?」
粗末な長椅子に寝そべっていたラリュトへ、血は繋がっていないが尊敬出来まくる兄バリントが問うてくる。
両目を覆うように乗せていた腕を外すと、悲しそうな顔しているのが見えた。
普段は小さなあばら家、きょうだい達がウロチョロしているのだが、今日は特別静かだった。
バリントとラリュトしか居ない。
義父が連れ出したのだ。
いやせがまれてお出掛けした、が正しいのかもしれない。
ラリュトの小さなきょうだい達は、まだ幼い故に詳しい事情を知らないのだから。
国をあげてのお祭り事、はしゃぐのは正常な反応だった。
ラリュトは、その反応に対して腹立たしいとは思わなかった。
今頃王城前広場では、大勢の人々が歓喜している事だろう。
祝福するに値する、国にとっては益の婚姻が発表されるのだから。
けどそんなの子供にとってはただのお祭りでしかない。
出店に見世物、祝祭の雰囲気。
それをチビ達楽しんでたらいいな、とラリュトは思った。
ただそれに反してラリュトの気分は最低だった。
いや、最低という気分を最悪な感情に変えないよう努力してる最中だった。
懸命に、なんとか、しようと、していて口の開かぬラリュトに、バリントは小さなため息を吐き、
「…どう、するんだ?」
もう一度問うてくる。
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【連載版】ラリュトは魔笛を吹いた 狐照 @foxteria
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