【連載版】新は、そんな黒と出会った。

狐照

№ 1

どす黒い海を泳いでる。

上も下も全部真黒。

先も後ろもどす黒い。

そしてとどこおりなく寒い。

その上凪いでいるから静かなものだ。

例えてみたけど海を見たことが無いから、良し悪しは不明。

自分が吐き出す荒い息と駆け足の音だけがやけに耳に残る。

本当に泳いでいたのなら、楽になる方法なんていくらでもある。

けれどもここはただの夜道。

他人だらけの住宅街。

何よりも、楽になる方法なんて選んでやんない。

選ぶ、ものか。

くだらない思考の果てに小さく舌打ち、文屋新ぶんや しん人気ひとけの死んだ夜道を走り続けた。

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2026年2月10日 12:00
2026年2月20日 12:00
2026年3月10日 12:00

【連載版】新は、そんな黒と出会った。 狐照 @foxteria

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