第49話 少し休憩
遊園地に入ったらアトラクションは1時間待ちが当たり前で、中には3時間待ちのものまであるなか、十分に楽しんだ俺達は、カフェでゆっくりくつろいでいた。
「遊んだねー」
由愛はそう言いながら机に突っ伏した。
里奈はジェットコースターの恐怖が抜けないのか、顔が青く上の空だ。
怖いなら乗らなかったらいいのに。
俺はそう思いながら、ジュースを飲む。
俺がストローから口を外すと、妹が頂き!と俺のジュースを奪ってジュースを飲み始めた。
「おい!意地汚いぞ!」
すると由愛は、このジュースも美味しいね!と感想を述べた。
俺は少し軽くなったジュースを受け取ってため息をついていると、由愛がわなわなし出した。
「どうした里奈?」
俺は聞くと里奈は俺を指差し叫ぶ。
「あんたら何やってんのよ!」
由愛は手を挙げて答える。
「え?カズ兄のジュース飲んだだけだけど」
俺は手を挙げ答える。
「俺はジュース飲まれました」
「だらっしゃあああ!」
里奈は机に両手をつき、顔をテーブルにドン!と付けた。
俺はジュースを飲みながら声をかける。
「ジェットコースターで脳がシャッフルされておかしくなったか?」
「違うわよ!」
里奈は顔を上げ答える。
そして里奈は俺の飲んでるジュースを見て口をひらく。
「しょうがないわね!私もそのジュース飲んであげるわよ!」
里奈は俺が飲んでたジュースを強引に奪ってきた。
「お・・・おい!」
俺は、さらに減るであろうジュースを心配して声をかけた。
由愛は、にやにやしながらその光景を見ていた。
「行くわよ・・・私!」
そう言いながら里奈はゆっくりストローに口を近づけていく。
しかしそれはピタッと止まって全然進まなくなった。
飲まないのなら返してほしいのだが、俺はその様子を見ていたら信じられない光景が目に飛び込んできた。
何と里奈は、う~と唸りながら、舌を出した。
その舌はゆっくりとストローに進んでいく。
俺はその行為に目が離せなかった。
そして里奈の舌はストローの飲み口より少し下の方に触れた。
するとすぐ舌がストローから離れたと思ったら、すぐにさらに再接近し、ストローに舌が触れる。
そしたらそのまま、ストローの飲み口の方までつつつ~ぅとなぞり上げていく。
ごくり。
俺は生唾を飲み込んだ。
その行為を3回ほど繰り返した後、里奈はついにストローを口に含んだ。
そしたら里奈は俺たちの視線に気付き、ジュースを俺に返してきた。
「まぁまぁおいしかったわ!ありがと!」
里奈の顔は赤くなっていた。
「お・・・おぅ」
俺はジュースを受け取りふと思った。
こいつ、ジュース飲んでなくね?と。
一体何が美味しかったのだろうか。
すると由愛が声を上げた。
「里奈ちゃん、やらしー」
「えっ?ジュース飲んだだけじゃないの!」
里奈は反抗するも。
「え?飲んだのってストローについてるカズ兄の唾液じゃん!」
「ち…違うわよ!ちゃんと飲んだもん!!オレンジジュース!」
俺は心の中で思った。
里奈・・・これ特性アップルジュースなんだけどな。
俺はそれを言わないことにした。
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