第21話 ジム貸し切ります
学校が終わり放課後、俺は里奈とある場所に向かっていた。
「いや、よかったよ。里奈が断らないでくれて」
「はぁ・・・この前のお礼もかねて断らなかったのよ。それに、あんたのお願いだったら・・・嫌!なんでもないわよ!!」
そう言って、やれやれという感じで彼女はついてくる。
そして目的地に着いた。
「あれ、思ってたよりなかなか立派じゃない」
「だろ?こんなに立派なのに、経営が厳しいらしいんだよね」
俺たちが向かった先は、この前俺が入会したジムだった。
「これだったら、私も通いたいかも」
やはり誰が見ても、このジムの印象は良いようだ。
このままであれば経営が危うくなり潰れる可能性があるなんて思いもしないだろう。
俺たちが中に入るとオーナーが偶然受付にいた。
「あら~。山田ちゃんじゃないの」
「こんばんは、オーナー」
「えっ?この人が?」
まぁ、言いたいことは分かる。
スキンヘッドでムッキムキのオカマがオーナーだと、誰もが距離を取りたがるだろう。
俺も最初そうだったから。
「あらー。あなた山田ちゃんの彼女?」
「なっ!違いますよ!!」
里奈は拒否した。
そんなにきっぱり違うって言わなくてもな・・・。
オーナーも冗談なんだし。
そんなことより。
「オーナー。今日はお話があって来ました」
「あら?なにかしら」
「この前、経営面で困ってるようだったので、お話を持ってきましたよ」
「あら?それ本当!?」
「その作業を少々したいので、この後今朝言ってた通り、少し貸し切りますね」
「うれしいわ~。ありがと。今朝に貸し切りたいって連絡来たときは何事かと思ったけど、そういうことだったのね。楽しみにしてるわね」
オーナーの許可ももらったし、作業に取り掛かるか。
「じゃあ里奈、着替えて来いよ!」
「何その言い方?なんかヤラシー」
里奈はおちょくるように言ってきた。
確かに里奈の体・・・
と眺めていたら、里奈が体を隠してきた。
「ちょっと、何見てるのよ!」
「いや・・・なんか・・・成長したなって」
「どこ見て行ってるのよ!・・・・エッチ!!」
里奈はジト目でこちらを見てくる。
だってしょうがないじゃない。
男の子ですから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます