殺し屋昇格試験

第2話

『俺の名前は高垣 仁(たかがき じん)、殺し屋だ』


『俺が高校生の頃に身内を殺めてしまい、その時に俺の罪をもみ消す事を条件に俺はある組織に入った』



『それが、殺し屋稼業組織Numbers』



『俺が今いる場所だ』


『俺はそのNumbersの4番』


『No.4だ』


「ふーっ。俺もそろそろなのかなぁ・・・」


カマクラ

「そうっすね、仁さん。もう何年もこの順位でやってきてましたからね」


「まぁ。わかってはいたけど、いざこの時が来ると・・・。うーっ、緊張する〜!!」


カマクラ

「遠足前の子供か。あんた」



『そして、俺の横でよく喋るこいつは…』



『俺と同じ殺し屋のカマクラ。22歳。ちなみに!カマクラは本名ではない。これ、重要な』



「まぁ、お前も何回もやった事あるわけだしな。俺がビビるわけにはいかねえよな」


カマクラ

「まぁ。そうっすね〜」



「でも何回やっても緊張しますね」



「昇格試験は」


「ああ…」



カマクラ

「でも、気をつけてくださいよ。あんたが、仁さんが昇格するって事は」


「誰かがNo.4になるって事だし」


「仁さんがNo.3になるって事なんですから」


「うん。その意味はよくわかってる」


「俺は・・・」


「あのジンクスを背負わないといけないからな」


「No.4の死のジンクスを・・・」


カマクラ

「ああ・・・」



『俺達にはあるジンクスがある』


『俺達、というかこの組織になんだが』


『Numbersには数字にまつわるジンクスや起こりえてしまうんじゃないかと言う噂がある』



『例えばNo.7だと数字的にはラッキー7の七だから』


『その順位にいた時は幸運が訪れる』


『とか』



『逆に言えば』


『No.13の地位が長い者はスナイパーの素質がある』


『みたいな物もある』


『そして、俺の場合』


『No.4。不幸の4、不遇の4、死の4、死神の4』


『それが俺のnumber』


『4』


『それでも俺はこの数字を持ったまま生きてかなきゃならなねぇ』


『たとえ今の俺の階級No.4が』


『次の階級になるまでに最低でも1つは不幸が訪れる』



『そんなジンクスがあろうとも』


『それでも、俺達は生きてかなきゃいけない』


『たとえどんな不幸があろうとも』


『俺はその不幸を』


『享受しなきゃいけない』


「よし!いっちょ頑張るか!」


カマクラ

「その調子っすよ。仁さん!」


「ああ!」


「それじゃ、行ってくる!」


カマクラ

「はーい。いってらっしゃーい!」



ーそして時が経ちー


「お久しぶりです」



「会長」






会長

「ああ、久しぶりだな」





「仁」



「はい、会長もお元気そうでなりよりです」



会長

「ああ、おかげさまでな」


「それでな」


「お前が腕が鈍っていないか確かめたい」


「そこでだ」


「手合わせしようか仁」


「いつもの通過儀礼ですね」


「わかりました。やりましょう!」




ー数時間後ー

「はあ•••はあ•••強いですね会長」


「還暦近いって言うのが嘘みてぇだ」


会長

「お前が老けすぎなだけじゃないのか? 仁」


「そうですかね?」


会長

「ああ、またやろう」






「さぁ、帰るか」


「•••」



「! これは•••!」




ーそしてー


カマクラ

「仁さん、おかえりっす」


「ああ、カマクラ。ただいま」



カマクラ

「で、仁さん。それで不幸はあったんすか?」


「ああ、それなんだがな」





「•••」



「帰り道にな」






「うんこ踏んだ」

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