第3話 前準備
「……それで、患者はどこに?」
「あ、あぁ、こちらになります」
癒理子は依頼人に自宅に招かれ、眠っている患者の元へとやって来る。
今回の患者の部屋は部屋は整理整頓されてある。
依頼人の妻がいつも片づけているようなのは依頼人から確認済みだ。
施術をする時、必ず部屋を綺麗にしていてもらわないと困る。
患者が暴れた時の対応も、
「……では、退室を。今から一度、状態を確認いたしますので」
「わ、わかりました」
依頼人は去り、私は眠っている患者に近づく。
カルマ病にかかった患者は慎重に且つ、丁寧に対処しなくてはならない。
大まかに業病にかかった患者の状態は主に二つに分かれている。
一つは、眠り姫のように眠り続け排泄や食事を必要としない状態の
二つは、自分の業に侵され肉体が変化し人を襲う状態の
……今回の患者は、前者の方のようだ。
「……さて、失礼しますね」
皮鞄の中身を広げ準備を完了した癒理子は患者の片手を握る。
「さぁ――――貴方の心を見せてください」
囁いた癒理子の言葉に呼応するように患者の体は光り輝くと癒理子は意識を失って彼のベットにもたれかかった。
癒理子は彼の心象世界にて手術の開始が告げられた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます