第15話 博士
「おい!救急車が来たぞ!早くそいつを乗せろ!」
急な声に我に返る。自分の腕の中にいる助手はすでに目を閉ざし身じろぎひとつしなかった。ただ、まだほんの少し生命のぬくもりを保っている。
慌ててどいて救急隊員に後を引き継ぐ。彼らはてきぱきと担架を準備して「彼」を連れて行ってしまった。後から来た一人がいくつか質問をして、私が付き添ってもいいことになった。特殊捜査班の者たちも自分たちが助けられたことを感じていたらしく、あっさりと許可を出した。
救急車の中で酸素マスクをはじめとした色々なものに繋がれた「彼」が痛々しい。どうか助かるようにと、技術者らしからぬ非現実的な思考で祈りを捧げるしかなかった。
しかし、見ない間にずいぶんと痩せてしまったんだな。それもこれも私のせい……なんだろうな。
病院に着くとすぐに手術室へ直行した。輸血やら何やらにサインを求められ、淡々と書いていく。手術室のランプがともり、自然と緊張感が漂う。
私は彼の言った言葉を思い返していた。
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