第14話 今生
「あ……」
「何をやってるんだ!あんな、無茶なことを……」
「あ、はは。ごめんなさい……」
致命傷ではないはずだが少し寒気がする……。奴に追撃されたのも痛手だったかな。博士は必死に止血しようと自身が血に濡れるのもかまわず傷を押さえている。ああ、そんなに汚れて。服が真っ赤じゃありませんか。口に出せば怒られるであろう言葉を飲み込んで、別の話をする。
「あなたから受けた恩は一生忘れません」
その一生は今終わるかもしれないけど。
「喋るな!傷に障る……」
なんか映画みたいなセリフですね。それ。思わず笑ってしまい腹に鈍痛が走った。
「博士、お願いしたいことがあります」
「……なんだ」
「もう繰り返さないでください」
はっと目を見開くと、彼は下唇を噛み締めた。
「頼みますよ……。俺の努力に免じて」
全力でおどけたように笑いかけて見せる。
あーあ。俺はあなたを笑わせたかったのに。
最後まで悲しませてしまったみたいですね。ごめんなさい。
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