第36巻(4年生になる時に)

 4年生になる時に、ナオミンママは呉服屋さんのお仕事でキンモク星に行って働くことになった。

 それを機会に、あやめっちも、キンモク星の小学校で先生をやることになった。

 だから、わたしもキンモク星の小学校に転校することになったよ。

 3年ムーン組のみんなも、わたしとわかれるのをめっちゃさびしがってくれた。しおりんも♡イト先生も♡クラスのみんなも♡

 それから、マッチャマの街の人たちも♡

 マッチャマ城のユーリ姫も、ミユちゃんも♡♡



 銀河鉄道に乗ってキンモク星へ。金木犀の香りただよう可愛い星。

 キンモク星のキンモクシティは、めっちゃ歴史ある街らしいんだ。

 古墳群やら、お寺やら、歴史的なものの、いっぱいあるような土地柄みたいだ。


 キンモクシティの家に入った瞬間に、なにやら霊の存在を感じてしまったよ。

 家全体を守ってくれているような、なんか、とてつもな〜く大きな霊の存在を。

 でも、それでいて、なにやらめっちゃ優しくて、あたたかいような感じを受ける霊の存在を。


 くるみちゃんとみるくちゃんの、天下無双最強双子忍者ちゃんも、わたしらのこと、いつでも、あたたか〜く見守ってくれてるんだけど、キンモク星のこの家は、もっと昔から、この家のあった土地で、ず〜っと存在してて、この土地をやっぱり、優しくあたたか〜く見守ってきてる感じ。



 わたしの部屋は2Fだったので、2Fにあがってみようと思って、階段を2~3段のぼっただけで、2Fにも、なんか強力な霊の存在しているのを感じちゃったよ。

 そんなに霊感あるほうだとは、それまで、あんまり思ったことなかった、わたしだけど。


 でも、優しくて、あたたかいような感じもしたから、一気に階段をかけ上って、部屋にビュンて入ってみた。

 入った瞬間、やっぱり、霊のいるような感じを受けた。



「なんなんだろうか?」

って思ったけど、まだ昼間だったし、怖い感じでもないので、そのまま部屋の片付けを始めた。

 自分の勉強道具とか、趣味のものとかを、きれいに並べてみた。

 かなり可愛い部屋になってきたよ〜。えへへ♡

いいでしょ〜♡


ナオミンママも、あやめっちも、1Fで2人で

「なにか、いるわね~」

「でも、なんとなく、優しく、あたたかな感じするわね」

って話をしていた。

 やっぱりママたちも、優しくて、あたたかい感じしてるのかあ~。


2Fにいたら

「ミクちゃん、ごはんよ~」

ってママたちの声、聞こえてきた。

「は~い!」

って言って、1Fのキッチンにおりていった。


夕食の間も、霊の話になった。

「家を守ってくれてるのかな~」

「なんだか、そんな感じするわよね~」


「でも、ミクちゃんのお部屋から、いちばん強力な霊の存在を感じる気もするわね」

「ミクちゃん、あのお部屋でいいの?」

「うんっ!いいよ~!なんとなく、良い霊のような感じするから...」

「そうねっ!なんか、あのお部屋でミクちゃんのことを守ってくれてるのかもしれないわね...」


「ミッキャンは、このおうち、どんな感じする~?」

って妹のミコに聞いてみた。

「う~んとね~...お歌の感じする~」

「お歌の感じ?」

「うんっ!おうちで、お歌を歌っているよ~」

「えっ?どういうこと~?」

「だから~、いつも可愛いお歌を歌っている人いるよ~」

「えーっ?そんな人いるのーっ?」

「いるよー」



 夜、ミコの部屋で、ミコ、ひとりで、なにやら歌を歌ってるの聞こえてきた。

 「ミコちゃん、なに歌ってるの?」

って聞いてみた。


 「お歌だよ〜。女の子といっしょに〜」


 「女の子?どこに?」


 「そこにいるよ〜。可愛い女の子だよ」


 「え?いっしょに歌ってるの?」


 「そうだよ〜」


 わたしには、女の子いるの見えてない。ミコには見えてるのかな?

 でも、なんとなく、なにかの存在は感じてる。


 「いつもはね、ミクっちの部屋にいる女の子だよ」

 「なんですと〜?わたしの部屋に、いつもいるの〜?その女の子?」

 「そうだよー」

 「なんで〜?なんで、わたしの部屋にいるの〜?」

 「前から、ず〜っと、ミクっちの部屋に住んでるみたいだよ。今日は、うちの部屋に遊びに来てくれてるよ」



 ミコの部屋にいたら

 ヒュンッヒュンッ

 ヒュンッヒュンッ

て気配。

 あ、くるみみるくだ。


 ヒュンッ

て、ふたり、わたしらの前に姿をあらわしてくれた。

 

 「あ、女の子、帰っちゃった。ミクっちの部屋に」

ってミコは、その女の子にバイバイ手をふってる。


 「くるみみるく〜!わたしの部屋の女の子だれ〜?」

 

 「それは、恐れ多くて、うちらからは、とても」

 「女の子のほうから言ってきたら、その時に聞いてあげてね」

とだけ言って、また

 ヒュンッ

て、くるみみるくは姿を消して、どっか行っちゃったよ〜。


 「その女の子だれなの〜?」

ってミコに聞いてみた。


 「う〜ん、今はまだ教えない〜」

って。

 めっちゃ気になるわ〜!だれなんだー?

 いったい、だれなんだー?その女の子ー?


 「でも、めっちゃ優しくて良い子だよ〜」

ってミコも言ってるから、わたしの部屋に戻って、寝ることにした。

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