第20話 4人の心の想い〜別離〜
「お姉ちゃん…話があるの…」
「何?改まって」
「どうしても言っておきたくて。…この前は…ごめん…それから…私…尋渡の事…好きだった…」
「えっ!?」
「でもっ!友矢も好きなのっ!」
「…えっ…?…藍李…」
「でも…今ならハッキリと言える。私は友矢が好きだって…お姉ちゃん、二人にチヤホヤされて本っ当!マジ羨ましくて…マジムカついて…どうしていつもお姉ちゃんばっかり良い思いするんだって…正直、腹立だしくて……」
「…藍李…」
「…お姉ちゃんには…幸せになってほしいけど…友矢だけは…私に…譲って…」
「……………………」
「元々、尋渡と結婚したんでしょう?幸せな家庭築いて今は幸せなはずなのに…どうして弟の友矢に手出したわけ?…ねえ…今…お姉ちゃんの心の中には誰がいるの?尋渡?友矢?」
「…私は…」
「友矢と関係あっても…何処かに尋渡がいたんじゃないの?」
「それは…」
「…お姉ちゃんの正直な気持ち…教えて…。尋渡も友矢も…きっと…ううんみんな行ったり来たりしているんだと思う…4人は…二人の異性に行ったり来たりしてんだよ!」
「………………」
そう言うと私は、その場から去った。
ある日の食事中―――――
「あの…食事中に、こんな話はあれなんですけど、この場を借りて話をさせて頂きたいんですけど」
友矢が口を開いた。
そして、続けて
「…俺…ここ出て行きます」と、友矢。
「えっ!?」
みんなが一斉に友矢に視線を向けた。
「友矢、どうしたの?急に」と、私。
「ちょっと色々と考えたい事があって」
「………………」
「話はそれだけです」
そう言うと、食事を先に済ませていた為、リビングを後に出て行った。
「友…友矢、待って!」
私は後を追う。
「ちょ、ちょっと!急だよ!お姉ちゃんは?お姉ちゃんはどうするの?」
「………………」
「友矢?」
振り返る友矢。
すると、キスをする。
ドキン
スッ
片頰に触れる。
「またな」
「………………」
学校で会えるはずなのに
遠くに行くような気がした。
次の日―――――
「友矢…」
部屋に行くと跡形もなく綺麗に部屋は片付いていた。
「………………」
学校に行っても
友矢の姿はなかった
突然の別離
私の想いを知っておきながら
私達は
想いが1つになっていた矢先
私の前から彼は消えた
だけど……
実際 本心はどうなんだろう?
4人の心は
バラバラな中
行ったり来たりしていたはずなのだから――――
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