第19話 二人の想い〜1つに〜
私からおりる友矢。
「今…お前の想い…スッゲー分かんの」
「えっ?」
「あー、藍李も、こんな想いで、2人を見てたんだなーって…」
視線がぶつかり、肘を付き私の方に体を向ける。
ドキン…
私の片頬に触れる。
私は、その手の上に自分の手を重ねる。
「みんな…本当に同じ想いだとしたら…今…友矢にとって私は…?」
「抱きたい女…」
「だ、抱きたい女って…ちょ、ちょっと…都合の良い女みたいな扱い辞め…」
キスで唇を塞がれた。
「相思相愛に都合の良い女っておかしくね?」
「だって…」
「お互い別の異性が心にいても、好きって想いに嘘はない。違うか?」
「それは…」
私の上に体重を掛けると、首筋から下へ下へと唇が這う。
気付けば 私の心の中には
尋渡より
友矢に傾いていた?
尋渡が他人のもので
凄く辛くて
悲しくて
仕方がなかった……
―――でも―――
尋渡が別れて
誰のものでもなくなった途端
彼への想いは薄れていく
『これで私のもの』
そう思うことが
心の底から
素直に出来なかった……
そして友矢が現れて
姉のものになって
自分の想いが
おかしくなる
優しいアイツに
姉のものであるのが
何よりも腹立だしくて
私の心は
グチャグチャになり始めた……
「友矢…待っ…友…」
キスされる。
視線がぶつかる。
ドキン
片頬に触れる友矢。
再びキスをする。
とても長くて優しいキスをされた。
「…藍李…後悔させないから…俺に身を委ねな…」
「…それは…でも…お姉ちゃんみたいになりたくないよ…」
「…藍李…」
「友矢の事…嫌いじゃないよ。でも…好きだからって簡単に…」
「…分かった…無理に強制はしたくねーから…」
「…ごめん…」
友矢は、私からおり私に背を向け横になる。
私も背を向ける。
尋渡のことを好きでいた時は
凄く辛くて泣いた日々だった
結局 私は
2人の間に入る隙などなかった
そう思うしかない
どんなに待っていても
尋渡は振り向かない
胸が張り裂けそうな想いだった
あの日
あの頃の想いは 嘘みたいに
今は 友矢への想いが強かった
成り行きとか
そんなのでもいい………
私は寂しくて
誰かに構ってほしくて
仕方がなかった……
こんな私だけど
許して下さい……
ううん……
許して……くれますか…?
私は友矢の背中に顔を埋める。
「藍李…?」
私は顔をあげるとキスをした。
「…ごめん…」
「…その“ごめん”は何に対する“ごめん”なんだ?」
「それは…」
「………………」
「つーか…どういう思いでキスしたかしんねーけど…」
グイッと両手を押さえ、私の上に股がった。
ドキン…
「…後悔…させないとか、後悔してないって…友矢となら…って思うけど…本当は不安で怖くて…」
「………………」
「…お姉ちゃんみたいに色気ないかもしんないけど……それでも…」
「色気?そんなもん必要ねーよ。お前はお前だろ?」
「……………」
「つーか…どストレートに言ってる割には、自分の事となると…恥ずかしがり屋の控え目女子かよ」
「初めてなんだから仕方なぃ…っ!」
キスで唇を塞がれた。
「美人なくせに…強気な事ばっか言って…Hする時は、どんな藍李見せてくれんの?つーか…見れんの?」
かあぁぁぁぁ〜っ!
「そ、そんなの…っ!」
再びキスをされ、友矢に誘導されながら深いキスをする。
「良くできました」
かあぁぁぁぁ〜っ!
「ちょ…ちょっと…恥ずかしいから…」
「そのうち慣れる。素直に感じるまま感じれば良い。お前、美人なんだから自信持って俺の前だけ素直にありのままの自分になれば?もっと変わるんじゃ?」
そう言うと、私の身体に触れていく。
自分なのに自分じゃないような錯覚
声が洩れそうだ。
深い知識は分からないけど
少女から
女の子と成長して
女の人から
女性となって
少しずつ大人になっていくのは
たくさん恋して経験積んで
綺麗になっていくもの
「…友矢…ていうか…友達から前に聞いたんだけど…友矢…って…私の事…ストライクゾーン…って…?」
「…あー…嘘じゃない。だから、陽南とも付き合った。まあ、向こうが一目惚れしたっていうのは気付いてたし…」
「…美人…好きなんだ…美人なら誰でも良いんじゃないの?じゃあ…結局、友矢は美人見掛けたら、また、そっちに乗り換えるんだ!だったら後悔するじゃん…!」
「………………」
「…図星…?」
「バーカ。美人は美人でも、お前の変わりなんていねーよ」
「…友矢…」
私達は一つになった。
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