繊細で秀逸な文筆

こちらの作品は、まるで傍観者として登場人物を見つめているような感覚になります。キャラクターとの距離を保つ筆致だからこそ、関係の変化をより客観的に見つめられる気がします。

特に、中学時代の描写が印象的でした。クラス内でのいじめが残した傷跡や後悔。そして「本来なら送るはずだった高校生活」を奪われた人々が、突如として「秩序」の正当性について語り始める一方で、被害者は集団の一体性を保つために沈黙を強いられる——その歪んだ不条理さが、とても生々しく描かれていて、胸が締め付けられました。

そして、最後に二人のキャラクターの魅力について触れたいと思います。彼女たちは孤独を通じて自らの存在を強く意識し、存在を実感することで、自分が関わる関係の中でどんな価値を持つのかを模索し、最後には自分なりの答えを見つけて進んでいく——その過程があまりにも美しかったです。

うまく言えたか分かりませんが……とにかく、とても百合で、とても素晴らしい作品でした。ぜひ読んでみてください！