第15話『リーダーたちの恋バナ』

 火の粉はトゥーラにも及ぶ。

「私、全然わかんないのが、トゥーラさんとポールさんですよ。さっぱり釣り合わないじゃないですか。なんか二人でいるとこ見ると、すごく残念なんです」

 メグの言葉にパティが突っ込む。

「あんた、超失礼!」

「だって、トゥーラさんが恋バナにポールさんのこと話題にしてるところが思い浮かばないと思わない?」

「うーん、まぁね」

「私、付き合い長いけど、恋バナでポールを話題にしたこと一度もないよ」

 オリーブがさらりと言うと、みんな「えっ?」という顔になった。

「……この人、誰にも何も言わないで、虎視眈々とポールを狙った矢を引き絞って撃ち抜いたのよ」

「なんかそれって、超至近距離で楽勝な感じですね」

 パティが言うと、トゥーラはくすりと笑った。

「私が平凡な女だから、あれくらい飛んでる人じゃないと張り合いがないのよ」

「トゥーラさんだったら、ウチのアロンさんもアリかと思ってたのに」

 クリオが言うと、パティが首を捻った。

「そう? 私はマドンナと道化師って、オペラの配役みたいで面白かったけどな」

「アロンさん、ライバル多いから無理っぽい」

 ミルラが出来損ないのナスをボールで塩もみしながら言った。

「年上好きだねぇ」

 パティが何気なく言った。

「あーあー、タイラーさんが影があってよかったのになぁ。オリーブさん、タイラーさんください」

「あげないよ」

 舌を出して笑うオリーブ。

「ずっる――い!!」

「はいはい、落ち着くまで生産修法はしないでね」

 そうこう言っているうちに、ミルラの出来損ないのナスで塩漬けができた。

「名付けて、でんぐり返し漬け! オリーブさん、食べてくださいよね」

「調味料は塩だけなんでしょうね……ん! おいしいよ」

「私、絶対料理の腕はオリーブさんより上なんだけどなぁ」

 ミルラが文句を言いながら張り合う。

「なんでそんなことわかんのよ」

 オリーブはまともに相手をする。

「だって、この前言ってたじゃないですか。朝のフルーツ一個すらつらいって」

「そんなこと言ったっけ?」

「オリーブさんの無精さに、タイラーさんが愛想尽かすってないかな?」

「タイラーだって、朝はグリーンスムージー一杯だよ」

「イメージ通り! どこまでもかっこいいですね」

「あなた、それだけじゃ栄養が足りないわ。トーストも召し上がって」

「キャ――ッ!!」

 パティが茶々を入れると、ミルラが耳まで真っ赤になった。

「そんな会話、交わさないよ」

 オリーブが照れながら言うと、トゥーラがやんわり聞き返した。

「じゃあ、なんて言うの?」

「うーん、「もう一品増やそうよ」とか」

「きっとこう言いますよ。「君のフルーツが食べたいな」」

 パティ再び。メグがさらに煽る。

「そこは「デザートは君」でしょ⁈」

 オリーブ撃沈。ぐるぐるとそのフレーズが頭を駆け巡るのだった。
















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