第9話『波に乗る創作』
「そんでっと、「初めはその方法を危ぶんでいた万世の秘法でしたが、万世の魔女にかかる負担を減らそうと話し合いをしていたところ、位階者たちは夢を見ました。生命の樹とその根元に佇む万世の魔女の姿です。万世の秘法で話し合った結果、その夢は位階者たちが積極的に関わることで、その威力を弱めることができる、という啓示であるとされたのです」——と」
「うん、バッチリ要約できてる」
アロンが太鼓判を押した。
「まだまだ……「喜んだのは万世の魔女の部下を自認するNWSのリーダーたちです。万世の魔女、レンナちゃんに代わって、名のない力の攻略法を編み出しました。「なんでもアリな世界のとてつもない未来」というお話の創作です――」
なんでもアリな世界には、「ここにあるものはどこにもあり、ここにないものはどこにもない」図書館がありました。
その中に名のない力のもしもシリーズがあったのです。
もしも名のない力が食べきれないほどの食材になったなら――大厨房に一流のコックさんを集めて、世界中の腹ペコさんにご馳走するのになぁ。
もしも、名のない力が家を造る木材やレンガになったなら――戦争で壊れた家を素敵に建て直すのになぁ。
もしも、名のない力が綿花になってそこら中に降ってきたなら――妖精と職人たちが一緒に工房を開いて、難民の皆さんにふんわり柔らかい肌着や服をプレゼントするのになぁ。
もしも、名のない力が南国の完熟フルーツになったなら――常夏のフルーツパーラーを開いて、あまーいフルーツをおいしいスイーツにして、みんなにご馳走するのになぁ。合ってないようで合ってる夫婦が名物になったりして。
もしも、名のない力が私たちの仲間になったなら――六芒宇宙のみんなで集まって、大宴会を開くのになぁ。そこでは牧師がホストになる、なんでもアリのパーティーなんだ。
さぁ、みんなで名のない力を世界の輪の中に入れよう!
するとどうでしょう。いざ名のない力が来てみたら、六芒宇宙は平和の花でいっぱいでした。
そして、万世の魔女のところまで辿り着くと、名のない力は小さな童子になって云いました。
「この世界には過去二度ほど来たけれど、戦争や貧困、病気が蔓延する死の世界でした。それがどうして、こんなにたくさんの花が咲く生きがいの世界になったのでしょう?」
万世の魔女は言いました。
「みんなで一生懸命考えました。みんなで汗水流して働きました。譲り合い、慈しむことの尊さを知りました。そうしたら
童子は感心して云いました。
「素晴らしい、それこそが天の仕事です。私もいろいろな世界を巡ってきたけれど、こんなに気持ちの良い世界に出会ったことがありません。私もお仲間に入れてほしいのですが、お願いできますでしょうか?」
「もちろんですとも。どうぞこの天窓の鍵を伝って私の心をお通りください。私どもの源、生命の樹が貴方様をご案内します……」
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