第9話『童話を組み立てる』
「——名案だ」
ポツリとマルクが言う。
「そうですね。バラバラにイメージしてたんじゃ切れ切れだけど、ストーリー仕立てにすればその中に入りやすいですよ」
ルイスがワクワクして言った。
「面白そう! ってか、ここはポールの出番なんじゃないの?」
キーツが指名すると、ポールは手で制した。
「まぁまぁ、その前にちょっと筋を組み立てんと」
「それじゃ、イメージを全部書き出そう」
アロンが言って、ポールを中心にイメージを抜き出す。
〇世界一の図書館(ここにあるものはどこにでもあり、ここにないものはどこにもない)
〇名のない力を食べ物にしてしまえ! 大厨房vs.腹ペコ軍団
〇新しい世界の新しい家——建材倉庫の構え――
〇空から綿花が降ってくる――難民の皆さんを包む喜び――
〇妖精と職人の仕立て工房
〇常夏のフルーツパーラー繁盛記——合ってないようで合ってる夫婦——
〇六芒宇宙の大宴会——牧師がホストで何でもアリ――
〇最後に、名のない力の化身・童子が万世の魔女と語り合う
みんなでやいのやいの言いながらイメージを箇条書きしたが、書記がポールだったため、副題がつけられた。
いじっていいのと悪いのを心得ているため、まともに落ち着くのもあれば、タイラーたちなどは強引に夫婦にされた(ポカッと殴られたのは言うまでもない)。
「よーし、そんじゃ始めるぞー!」
懲りないポールが話を組み立てる。
「題名は『名のない力の訪れ』で決まりだな。始まりは、「ここは六芒宇宙。人間たちと想像上の精霊や幻獣が隣り合って住む世界」でどうよ」
「うんうん、それで?」
オリーブが先を促す。
「こっからなんだよなぁ……レンナちゃんのための絵本なんだから、リアルな方がいいか、メルヘンな表現がいいか」
「……メルヘンなだけじゃ、世界を掬い上げられないだろ」
タイラーがバッサリ切ると、ポールはあっさり意見を採用した。
「それもそうか。じゃあ「内戦もあればテロもあり、不穏の種は世界中にばらまかれていましたが、明るく優しい平和の花を咲かせている国々がぐるりと周囲を固めていました」ってことで」
「そうそう」
「次はと、「平和の花を咲かせている国々では、世界中を幸福でいっぱいにしようと、汗水流して働いていましたが。ある時大変なことがわかりました。一年後、名のない力という未知のエネルギーがぶつかろうとしているらしいのです」んで、「名のない力は過去に二度も世界に大災害をもたらした、とてつもないエネルギーです。世界をリードする万世の秘法は慌てましたが、世界の根源エネルギー、生命の樹から提案がありました。「世界の密儀を開く天窓の鍵で、私が育てた万世の魔女が心を導管にして、名のない力をわたしに送れば無害化できる」というのです」」
「よしよし」
タイラーの合いの手が入った。
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