第7話『意気投合』
「思うんだけどさぁ。いつか修法作物で料理作って、カピトリヌスの人たちに食べてもらえたらなぁ、って時々考えるんだよね」
キーツはさり気なく言ったが、二人の反応は早かった。
「それそれ! 俺も思ってた。それもカピトリヌスの伝統のレシピを教えてもらって、料理店を開くんだ。虹球界で」
「私もこの凝り性が結実するとしたら、食べ物に不自由している人に手料理を食べてもらうことかなって、ずっと思っていたわ」
「おーっ、意見が一致したねぇ。じゃあさ、どんな店にする?」
「名前はプティ・シェ・ヌウ。意味は「小さな私たちの家」でどうかしら」
「ちょっと、それいい! 前々から考えてたでしょ」
「実はそうなの。今は難しいけれど、虹球界でなら実現できるかと思って温めていた名前なの」
「うんうん、じゃあさ、店で流す曲は任せてよ。静かで温もりのある曲を作るからさ」
「料理はおいしさもだけど、滋養を追求したものだよね。ウチの奥さん雇ってくれないかな? 一応、家庭料理マイスターなんだ」
「うってつけじゃん! トゥーラが女主人で、僕が音楽と食材作りで、ナタルも食材担当で奥さんが調理担当でどうだい」
「あ、俺。店の内外に置く植物も担当していい?」
「どうぞどうぞ。インテリアはトゥーラだね。どんな感じにする?」
「壁は黄味の強い菜種油色で、テーブルと椅子は木で丸みがかっているの。窓枠は白で季節の花が一輪活けてあって……ファンシーな絵や油彩の風景画が壁に飾ってある。そう、世界各地の民芸品を飾ったり、子どもたちのための絵本棚もあるといいかもね」
「あ、イメージ浮かんだ。さすが具体的だね」
「イメージ先行だけれど……夢について話すのって、とてもワクワクするのね」
トゥーラらしからぬ浮かれようだった。
「そりゃそうだよ。夢って話さないと形にならないもんね」
キーツはいわば夢語りの先輩だった。彼はいろんなジャンルの曲から着想を得て、オリジナルの曲作りをするアマチュアミュージシャンでもある。
「あれ? そう言えばこの企画にオリーブは参加しないわけ」
ナタルが不思議に思ってトゥーラに尋ねる。
「ああ、あの人は現在に生きる人だから。当座の夢は花嫁になることなのじゃないかしら」
「というと?」
「今頃、カフェで寛ぎタイムってところかしらね」
「誰と?」
「タイラーと」
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